韓国は李明博(イ・ミョンバク)大統領時代に海外の資源開発を盛んに行うよう舵を切りました。韓国は自ら「資源のない国」というとおり、原油、鉱物などの資源を輸入に頼っています。
李大統領の判断自体は恐らく間違ってはいなかったのでしょうが、しかし結果がついてこず、巨額を突っ込んだのにリターンはほとんどないといった状況になっています。
また、権利は持っているが赤字の鉱山があって、資源開発に資金投入した公社の財政状態を圧迫しているのです。
そのため、抱え込んだ鉱山などの資産を処分する方向で動いています。
しかし、採算が合わないなどの理由ではなく、そもそも採掘もできずに窮地に追い込まれている鉱山もあるのです。
2019年にMoney1でもご紹介したオーストラリアの「Bylong(バイロン)石炭鉱山」(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の鉱山の町Mudgee(マディ)の北東に位置する)がそれです。
オーストラリアの州委員会から不許可!
韓国はこのバイロン石炭鉱山に2010年から関わっています。
李大統領下の2010年、『韓国電力』は鉱業会社『Anglo American(アングロ・アメリカン)』から4億300万豪ドル(約345億円)で購入し、これまでに7億豪ドル(約599億円)を投じてきました。
驚くのは、この鉱山の採掘プロジェクトが承認されたのは2018年10月のこと。
なんと購入してから、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州が許可するまで8年もかかったのです。それまで待ち続けた『韓国電力』も相当なものですが、話はこれで終わりません。
2019年09月、ニューサウスウェールズ州独立計画委員会(略称「IPC」)は、「『韓国電力』が温室効果ガス排出を最小化する措置などを講じないため、バイロン石炭鉱山開発に同意しない」と決定したのです。
『韓国電力』はこれを不服として裁判所に提訴します。
しかし! 2021年09月、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の裁判所はこの訴えを棄却。これによってこれまでの資金が全て無駄になる危機に瀕しているのです。
これまでに投入された資金は「4億300万豪ドル + 7億豪ドル」で「11億300万豪ドル」(約944億円)。
一応予定では、2021年から40年稼働して「年間350万トン」の石炭を確保する、となっていました。また、そのために追加で13億豪ドル(約1,113億円)の追加資金を投入すると見られていました。
というわけで、韓国がオーストラリアに確保したとした石炭鉱山は、掘れもしないしここで損切りするか、の判断が迫られています。
文字どおり雲散霧消の危機なのです。
ついてないというか、なんというか、韓国の資源開発は本当にこのような話ばかりです。
(吉田ハンチング@dcp)