先に、2020年12月に韓国の貿易収支がついに赤字に転落した件をご紹介しました。これは韓国が必要とする資源、中間材・資本財の価格が急騰しているからです。
韓国にとって最も重要な貿易のもうけ「貿易収支」は、輸出から輸入を引いた金額ですから、輸入金額が増加するとその分減るのです。しかし、輸出品を製造するのに必要な物は輸入しないわけにもいきません。
簡単にいえば、輸入物品のインフレが韓国を苦しめているというわけです。
輸入の物価がどのくらい上昇しているのかは、『韓国銀行』が公表している「貿易指数および貿易条件」というデータで概観することがでできます。
2021年12月29日に直近「2020年11月」のデータが公開されています。比較するために、まず「輸出」について見てみましょう。
「2015年 = 100」として、輸出の物量指数は「126.58」。つまり、2015年比で26.58%輸出の物量は増えています。ところが金額指数は「140.66」です。40.66%金額は増えています。すなわち、輸出する物品の価格上昇が大きいということです。
同様に輸入を見ると以下のようになります。
輸入の物量指数は「126.54」。2015年比で「26.54%」の増加ですから、輸出の「26.58%」増加と、物量の増加幅はそれほど代わりません。
ところが、輸入金額指数は「159.29」と「59.29%」も増加しています。ほぼ6割です。
輸出の「40.66%」と比較して「18.63%」も上です。その分、輸入物品の価格が上がっているのです。
輸入金額指数が顕著に高いものを拾ってみると以下のようになります。
石炭および石油製品:185.91
電気機器:179.85
コンピュータ、電子、光学機器:169.39
鉱物資源、その関連製品、電子機器などが値上がりしており、それを輸入しなければ製品を作れないので、韓国の輸入金額が大きく膨らんでいるのです。
これが韓国の貿易収支が減少する理由です。
(吉田ハンチング@dcp)