韓国というのはドタバタした国です。
3月上旬には、セメントが足りなさすぎて工事現場がシャットダウンし、3月末には在庫が2日分しかないという異常事態になっています。
さすがに韓国政府も焦ったのか、2022年04月06日、産業通商資源部が業界関係者を集めて緊急オンライン会議を開きました。
「セメント需給安定のための対策会議」と題した同会議には、主催である産業部の政策局長のほか、国土交通部、セメント協会などの担当者が出席。
セメント需給不安を解消するための対応策を話し合いました。産業通商資源部が発表したプレスリリースによると、以下のような政策を執り行うことが決まったとのこと。
①セメント業界は、今季の第2四半期に約377万トン(昨年の第四半期の35.7%)を追加した計1,432万トン生産する
②石炭の輸入国をロシアから代替国に変えることで必要な物量を確保する
③鉄道輸送網を拡大し、セメント物流の円滑化案を推進する
④セメント業界、建設業界など各業界で建設工事に支障がないよう協力する
韓国は月平均で約38万トンのセメントを輸出していましたが、これを国内用に切り替えることで、セメント不足を乗り切るとのこと。
そもそもセメント製造企業が「赤字になるから作りたくない」といっていたのに大丈夫なのでしょうか。
また、セメント生産に必要不可欠な石炭についても、ロシアからオーストラリアなど別の国の輸入比重を上げることでカバーすると書いています。
さらっと書いていますが、それが簡単にできるなら誰も苦労しません。
さらに韓国政府がセメント産業の技術開発に9,306億ウォン(約931億円)を投じる予定とのこと。今から技術開発しても現在の急場に間に合うとはとても思えないのですが、これまた大丈夫なのでしょうか。
先述のように韓国国内のセメント在庫量は3月末の時点で2日分しか残っていませんでした。
正直、緊急会議を開くのが遅かった感は否めません。産業通商資源部は「第2四半期セメント需給は安定展望」と発表資料に銘打っていますが、果たして上半期の建設業界はどうなるのでしょうか。
また、本当に第2四半期に安定するのでしょうか。
韓国セメント大乱の行方にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)