Money1では何度もご紹介していますが、『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)が窮地に陥っています。
主な原因は石炭・石油・LNG燃料価格の高騰です。韓国政府が電気料金の値上げを許さないため、もろに赤字をかぶっているのです。その上、電力の買い取り価格が上昇しており、買い取りを義務づけられた『韓国電力』はこの圧迫にもさらされています。
つまり、電気を売れば売るほど赤字という状況に陥りました。
先にご紹介したとおり、『韓国電力』は2021年に営業利益が「-5兆8,600億ウォン」という史上最大の赤字を記録。
証券情報会社『ファンガイド』によれば、ついに2022年の営業赤字の予想が「17兆4,723億ウォン」まできました。『ハナ金融投資』の予測はもっとひどく、「30兆3,003億ウォン」の営業赤字としています。
無茶苦茶な赤字予想です。
というのは、60年間で『韓国電力』が積み上げた剰余金が2021年末時点で「29兆4,000億ウォン」。
つまり、1961年の創設以来60年間積み上げた利益がたった1年間で全部吹き飛ぶと読んでいるのです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権は「電気料金には原価を反映すべき」という立場ですが、尋常ではないインフレに襲われている現在の韓国で果たしてそれが実行できるのかは大いに疑問です。
次期政権がどのような施策を行うのか、また間もなく公表される『韓国電力』の2022年第1四半期の業績がどのように締まるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)