韓国に「落星台経済研究所」という、朝鮮半島、韓国の経済史を実証的に研究しているシンクタンクがあります。
同研究所の研究者である李栄薫(イ・ヨンフン)先生、朱益鍾(チュ・イクヨン)先生、李宇衍(イ・ウヨン)先生、金洛年(キム・ナクニョン)先生、金容三(キム・ヨンサム)先生、鄭安基(チョンアンギ)先生の6人が著者に名を連ねたのが、2019年に韓国で出版された『反日種族主義』という本です。
日本が朝鮮半島を統治していた時代に、本当は何があったのかという点を基データに丹念に当たり、論証した著作です。
韓国民が一般に広く信じている「日本は朝鮮で収奪を行った」といったことが、根拠のない主張だと立証されています。「日本人がすでに忘れてしまった、日本の功績」についても記述されており、日本語版が出版された際には大きな反響を呼びました。
しかし、著者の皆さんは日本のために『反日種族主義』を書いたわけではありません。韓国のためです。
西岡力先生は自身の著書の中で以下のように指摘していらっしゃいます。
(前略)
拙著で詳しく論じたが、『反日種族主義』は悪化した日韓関係を憂いて書かれたのではなく、文在寅政権によって祖国韓国が亡国の危機を迎えていることに対する憂国の書だ。亡国の危機の根源にあるのが「反日種族主義]だと、韓国社会に向けて告発する書なのだ。
李栄薫らが物議を醸すことを承知で同書を出した理由は、「反日種族主義」が韓国を亡ぼすという強い危機感なのだ。
李栄薫は以下のようにその強い危機感を表明している。
「反日種族主義をそのままにしておいては、この国の先進化は不可能です。先進化どころか後進化してしまいます。ウソの文化、政治、学問、裁判はこの国を破滅に追いやる」
(後略)⇒参照・引用元:『韓国の大統領はなぜ逮捕されるのか 北朝鮮対南工作の深い闇』著:西岡力,草思社,2022年06月24日 第1刷発行,
反日種族主義によって事実がねじまげられ、それによって韓国が先進化できないという憂国の志が研究者を突き動かしているのです。
しかし、事実の究明は、韓国での間違った常識とは相容れないため、研究者の皆さんは時に罵詈雑言を浴びせられたり、告訴されたりといった事態になっています。
事実を調査し、発表するのが罪になるのであれば、それはもはや近代国家とはいえないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)