2022年07月26・27日(現地時間)はアメリカ合衆国で『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)が開催されています。
「1%(=100bp)の利上げはないだろう、恐らく0.75%(=75bp)の利上げになるのではないか」と見られています。
あと17時間ほどで結果は分かるのですが、世界中がどうなるのかと注目しています。
韓国の金融当局も戦々恐々で見つめています。
07月13日には、『韓国銀行』は(現体制になって)韓国史上初の「0.5%」(=50bp)基準金利を上げましたが、ウォン安は特に止まりませんでした。
現在、以下のようになっています。
韓国:2.25%
今回の『FOMC』でアメリカ合衆国が政策金利をまた0.75%(=75bp)上げると、
韓国:2.25%
と上限では米韓の金利差は逆転します。金利差が逆転すると資金の流出が加速するのではないか、と考えられます。
韓国の企画財政部の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官は、
「28日(韓国時間)の朝には、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁、金融当局関係者とミーティングを行う」
と明らかにしています。また早朝から会議なのでしょう。いかに韓国金融当局が本件を重視しているのかが分かります。
ただし、金利が逆転された場合の資金流出については、秋長官は2022年07月25日の記者懇談会で以下のように述べているのです。
「報道によると75bp(1bp=0.01%ポイント)の引き上げが有力だと思われる」
「単に金利の逆転があるからといって資金流出を予想するのは安易ではないか思う」
「過去にも金利逆転現象があったにもかかわらず、韓国からの資金流出が大きくなったり、市場が非常に不安定になったりした、といったことは発見されなかった」
「むしろ経済のファンダメンタル(基礎体力)のようなものがより影響を及ぼす」
「今の私たちの対外信用度や経済基礎条件を見ると、現在は流出の可能性があまりないと思う」
「市場のボラティリティが大きくなっている状況なので、全ての可能性に備えて市場を点検し、必要な対応策を講じていく」
資金流出の可能性はあまりない、としています。
しかし、こればかりは市場の判断です。市場が「韓国から資金を抜こう」という動きに傾く可能性はあります。『FOMC』の結果が公表されてからの市場の動きには要注目です。
また、秋長官は「経済のファンダメンタルズがより影響を及ぼす」と述べています。「だからこそ危ない」という見方はできないでしょうか。
貿易収支が減少し、経常収支が危なくなっているのですから。
いずれにせよ、『FOMC』通過後のドルウォン、KOSPI、債券市場など各種指標にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)