2022年07月29日、韓国が日本の固有領土である「竹島」で軍事訓練を行いました。
日本のメディアでは、日韓関係を良好にしたいという尹錫悦(ユン・ソギョル)政権がなぜこんなことをするのかと非難していますが、これは韓国内に対するパフォーマンスと見るべきです。
「竹島」を使って釣り合いをとるしかない
背景には、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権の対日外交に対する国内世論の悪化があります。いわゆる徴用工問題を解決しようとする動きが、韓国内で日本に膝を屈する行為であると非難が高まっているのです。
膝を屈するも何も、国際法を守らない判決を出した韓国の司法が守らないのがそもそもの原因なのですが、韓国民の感情は韓国政府の対日外交姿勢について「屈辱的だ」と評しているのです。
日本に頭を下げている風に見えるのです。
「自分に非があれば素直に頭を下げる」というのは、大人では当たり前のことですが、韓国の場合そもそも反日な国なので、たとえ「国際法を遵守しない判決を出した自国の司法が問題」であっても、日本に頭を垂れることができないわけです。
また、「国際法を遵守しない判決を出した自国の司法が問題」と認識してはいない人が多いためでもあります。さらに「国際法を守らなくても問題ない」と考えている人が多いのです。
どこが法治国家なのか呆れますが、日本としては韓国とはそういう国であると認識する他ありません。
韓国に深い知見をお持ちの鈴置高史先生が指摘されるとおり「朝鮮半島には日本とは違う人が住んでいる」と考えるべきなのでしょう。
「尹政権は日本に弱腰」という韓国世論
現在の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は「韓国にボールがあること」は認識しています。
これは、2022年07月18に開催された、朴振(パク・ジン)外交部長官と林芳正外務大臣との会談で、朴振(パク・ジン)長官が「現金化される前に解決策を用意できるように努力する」と述べたことにも現れています(その後で日本の誠意に期待するなどと発言しましたが)。
自分に非があるため頭を垂れなければいけないのですが、それをすると韓国世論が「日本に弱腰」と沸騰します。
韓国政府としては日本に弱腰と見られないことが必要なのです。
そのために利用できる手持ちのカードは「竹島」しかありません。
「いわゆる慰安婦問題」カードは2015年の合意で終了し、文在寅政権はこれを事実上の反故にしたにもかかわらず、政権末期には「政府同士の正式な合意」と認めざるを得なくなりました。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権はこれを引き継がないといけないので、どうしようもありません。
ですから、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は国民から「日本に弱腰」と見られないように、竹島で軍事訓練でもするしかないのです。
自ら墓穴を掘ったというべきですが、これは韓国政府が追い込まれている証拠です。恐らく「日本に譲歩した」などと世論が沸騰するたびに、韓国政府は竹島を利用するでしょう。
竹島周辺で調査船が活動
2022年07月29日
竹島で軍事訓練を実施
盧武鉉の指示で戦争寸前だった
若い読者の皆さんはご存じないかもしれませんが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の時代には、竹島を巡ってあわや戦争かという事態までいったことがありました。
2006年に日本は竹島周辺の海洋調査を行おうとしていました。これに韓国側が反発。警備艇20隻を出して拿捕も辞さないという強硬な態度に出ました。
当時の麻生太郎外務大臣は(韓国の姿勢は)「国際法上認められるものではない」と非難しました。その一方で「不測の事態は避けたい」として日韓の次官・大使レベルでの折衝が行われていることを明らかにしました。
では、韓国側ではどうだったのかというと、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領がそもそも無茶な発言をしていたのです。以下に引いてみます。
「日本の調査船は政府船舶なので拿捕できないというが、日本の行為を韓国の領土主権侵害行為と見るならば、国際法を遵守することになんの意味があるだろうか」
「国防責任者に対応準備体制を聞いたところ“命令され下れば任務を成功させる自身がある”と答えた」
※2006年04月18日に行われた野党指導者との懇談会における発言
⇒参照・引用元:『韓国が世界に誇るノ・ムヒョン大統領の狂乱発言録』著:坂眞,飛鳥新社,2007年01月13日 第1刷発行,p.113-115
海洋調査を行う政府の船舶を拿捕するなどという行為は完全な国際法違反です。
当時の韓国メディア『朝鮮日報』は、韓国の海洋法の専門家に取材し、
「国際海洋法など国際条約にはこのような拿捕の規定がない。
商業用船舶でない場合、拿捕などを行う根拠がないということだ。
国際法に沿った方法で韓国ができる最大の行為は開場で日本船舶に対して『退去』の警告をすることだ」
⇒参照・引用元:『韓国が世界に誇るノ・ムヒョン大統領の狂乱発言録』著:坂眞,飛鳥新社,2007年01月13日 第1刷発行,p.113-115
と書いています。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は「日本に対して国際法を守る気はない」と言ってのけたのです。
念のために付記しますが、この盧武鉉(ノ・ムヒョン)という人は弁護士あがりで、本来「法律を守る」ことが職業だったのです。
釜山で法律事務所を開き、人権派弁護士として名を売った過去があるのです。加えていえば、文在寅前大統領はかつて盧武鉉(ノ・ムヒョン)さんと一緒に法律事務所を営んでいました。文在寅さんも人権派弁護士として有名になりました。
法律家あがりの政治家であるにもかかわらず、国際法を順守しないという姿勢には呆れるほかありませんが、ことほどさように「日本に対しては何をしてもいい」と考えているのです。
もし、このとき本当に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が日本調査船の拿捕を命じていれば、日韓は戦争に発展したかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)