韓国の電力インフラを支える『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)は、2022年は通年で30兆ウォンの営業赤字を出すと予測され(予測は『ハナ金融投資』による)、第2四半期の業績がどのように締まるのか注目を集めていました。
2022年08月12日、『韓国電力』から決算の公示がありましたのでご紹介します。いつものように「DART」からデータを以下に引用します。
2022年第2四半期
総売上:15兆5,280億3,500万ウォン
営業利益:-6兆5,163億4,800万ウォン
当期純利益:-4兆8,358億2,000万ウォン2022年上半期
総売上:31兆9,921億500万ウォン
営業利益:-14兆3,032億7,000万ウォン
当期純利益:-10兆7,617億4,400万ウォン
第2四半期の営業利益は「-6兆5,163億4,800万ウォン」の赤字です。第1四半期の営業利益が「-7兆7,869億2,200万ウォン」でしたので、前期よりはマシですが、それでも巨額赤字であることに変わりはありません。
上半期の累計営業利益は「-14兆3,032億7,000万ウォン」。半年で約14兆ウォンですから、予測の「通年営業利益:-30兆ウォン」というのは当たらずとも遠からずです。
しかし、こんなひどい話は当たっても仕方がありません。
30兆ウォンの赤字というのは、これまで『韓国電力』が60年間で積み上げてきた内部留保「29兆4,000億ウォン」(2021年末時点)とほぼ同額です。
つまり、恐ろしいことに60年間で積み上げたお金が1年で吹き飛ぶ勢いなのです。
まさに文災害!愚かな大将をいただくとこうなる
もう何度ご紹介したか分かりませんが、『韓国電力』がこのような大赤字になったのは前文在寅政権のせいです。
電気料金の値上げを認めず、クリーンエネルギー政策で太陽光発電私設などを乱造し生産された電気を高値で買い取らせたためです。
以下の記事でご紹介したとおり、電気を売れば売るほど赤字になるという事態に陥りました。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってから「電気料金を上げないとしゃーない」という方向になっていますが、韓国は現在尋常ではないインフレに襲われています。
一気には上げられません。じわじわいくしかないのです。そうこうしているうちに赤字が増えます。
「愚かな大将をいただくとかくの如し」と地でいっているのが『韓国電力』というわけです。
「国の電力インフラを担う企業が飛びそう」なんて話は、先進国として恥ずかしい話のはずです。
普通の会社なら飛ぶ寸前です。公社なので飛ぶことはありませんが、この巨額赤字は結局、国民が負担して企業を存続させることになるのです。
世にもあほらしい話といえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)