イランメディア『IRNA』(イスラム共和国通信社)が興味深い記事を出しています。
例の、韓国が未払いの原油代金70億ドルの件です。
韓国が全く支払いませんので、ついにイラン政府は業を煮やし、本件を国際機関に仲裁を付託するべく動き出しました。
国会の経済委員会のメンバーは、イラン・イスラム共和国中央銀行と韓国政府の間の紛争を仲裁を付託する法案について、「イランの権利を追求する政府の行動である」と述べた。
法案を議会に送付することでイラン国民に訴えかけるのが適切であり、議会はこの点で政府と合意しており、できるだけ早く回収するというイランの要求を支持している。
『IRNA』の国会記者とのインタビューで、アスガー・サリミ氏は、韓国にイランの要求を受け入れさせるための政府の法案提出に言及し、次のように述べた。
2018年のイランへの経済制裁では、石油および石油製品の販売によるイランの資産70億ドルが韓国の銀行2行によって阻止された。
国会経済委員会のメンバーはさらに、「近年、韓国でイランのブロックされた資源を解放するためにさまざまな措置が講じられたが、幾つかの混乱により、イランの資産は依然としてこの国(韓国)でブロックされている」と付け加えた。
イラン国民の権利実現のための法案起草における政府の行動は価値のあるものであり、議会はイランの要求ができるだけ早く満たされるよう、この点で政府を支持している。
議会のセミラム住民の代表は、韓国政府が合衆国の政策に従順であると非難し、「他国との関係を維持するために、韓国は経済交流の分野で独自に行動し、成果を出さなければならない」と述べた。
サリミ外相は、「イランは西アジア地域の有力国の一つであり、国際均衡に影響を与える可能性があり、そのような問題はテヘランとソウルの間の意思疎通に問題を引き起こしている」と述べた。
国会の経済委員会の委員は、ワシントンとソウルの関係に言及し、「韓国は合衆国とより多くのつながりがあり、合衆国との交渉における障害を解決し、イラン政府に債務を支払うことができると考える」と述べた。
↑日本・茂木敏充外務大臣(当時)と会談するイランのライースィ大統領IRNA によると、H.E. Ayatollah. Seyyed Ebrahim RAISI(セイエド・エブラヒーム・ライースィ)大統領は「『イラン・イスラム共和国中央銀行』と韓国政府との間の紛争を仲裁に付託する法案」を『イスラム評議会』のモハマド・バガー・カリバフ議長に送付した。
この法案の序文には、次のように述べられている。
『イラン・イスラム共和国中央銀行』の預金を韓国の銀行から返還させ、支払い遅延による損害賠償を受けるため、2013年07月13日にイラン・イスラム共和国政府と政府との間に締結された「投資奨励および支援協定」の第12条を履行させるべく、同法案は国会に提出される――と。
(後略)⇒参照・引用元:『IRNA』「مجلس برای وصول مطالبات ایران از کره جنوبی با دولت همراهی میکند」
というわけで、イランは韓国と締結した協定を盾に取って、債権を回収すべく動き出しました。
記事内で言及されている(協定の)第12条というのは、「当事者間の紛争の解決」について記した条項です。最終的には『国際投資紛争解決センター』(ICSID)で争われることになると思われます。
韓国が卑怯にも付託に同意しない、また呼び出しをバッくれるといったケースも考えられますが、協定が盾に取られた以上は、一応受けて立たないといけません。
『ICSID』が担当した紛争の場合には、その判断には拘束力があります。韓国が当事者となった『ローンスター』の一件は、やはり『ICSID』で争われました。
韓国側は、若大将・韓東勳(ハン・ドンフン)長官率いる法務部ということになります。
どのように進展するのか、ぜひご注目ください。
(柏ケミカル@dcp)