2023年10月31日の中国外交部による定例記者ブリーフィングで興味深いやりとりがありました。以下をご覧ください。
『Reuters(ロイター)』記者:
『バイドゥ』と『アリババ』の「高德地图(amaps)」アプリでは、ユーザーが特に検索しない限り、イスラエルはすぐに表示されません。これらのプラットフォームがイスラエルを地図上に表示しないのは何か特別な理由があるのでしょうか? 中国は当該プラットフォームにイスラエルを表示しないよう要請したのだろうか? 中国はイスラエルを主権国家として承認しているのですか?
汪文斌:
中国とイスラエルは正常な外交関係を結んでいることを明確にすべきです。ご指摘の関連問題については、中国当局が発行した標準地図に関係国が明記されており、ご覧いただけます。
どうも中国は、イスラエルという国を地図から消したいようです。
汪文斌さんは、「中国当局が発行した標準地図」にはちゃんと明記されている――なんて述べていますが、その標準地図というのは、例の南シナ海のほとんどが中国領海・領土となっているものなのです。
一応、中国のド厚かましい「標準地図」の世界地図版を見ると以下のようになっています。
漢字ばかりに見にくいのですが、「耶路撒冷」は「エルサレム」です。以下の地図の凡例によると、
19の「以色列」はイスラエルですので、一応、中国標準のド厚かましい地図でもイスラエルを国として扱っています。18は「巴勒斯坦」で「パレスチナ」ですから、ヨルダン河西岸地域を指しているのでしょう。
標準地図ではイスラエルを国として扱っているのですが、アプリ側で表示しないというのであれば、なんらかの意図が働いていると考えざるを得ません。
(吉田ハンチング@dcp)