2024年04月24日、中国の定例記者ブリーフィングで中国政府のダブルスタンダードが突かれました。
『Bloomberg』記者:
EUに関する質問をキャッチアップします。 あなたはEUに『WTO』ルールの遵守を促しました。中国は2001年に『WTO』に加盟した際、政府調達協定(GPA)にできるだけ早く加盟すると約束した。
中国は2007年にGPAへの加盟を申請しましたが、実際には加盟しませんでした。
中国はGPAに加盟する意向があるのでしょうか? また、加盟を望まず、EUに市場アクセスを与えることができないのであれば、なぜEUは「中国がGPA締約国と同じ市場アクセスを享受すること」を望むでしょうか。
汪文斌:
中国のWTO GPA加盟申請については、管轄当局に確認することができる。私が申し上げたいのは、中国は一貫してWTO加盟公約を遵守しており、WTOの規則を遵守する「模範生」であり、それはWTOによって何度も確認されているということです。
WTOに加盟して以来、中国は最大の発展途上国として、常に多国間貿易システムを強固に支持し、真の多国間主義を実践し、WTOの約束を効果的に履行し、自国の国情に基づいて社会主義市場経済システムと法制度を継続的に改善し、ハイレベルの体系的開放を拡大し、包括的かつ綿密な方法でWTO改革に参加し、他の発展途上国、特に後発開発途上国(LDCs)の多国間貿易システムへの統合を積極的に支援してきた。
多国間貿易システムについて この1年間、中国は大規模途上国として初めて漁業補助金協定の批准を完了し,投資円滑化協定の本文に関する交渉の完了を先導し,デジタル貿易に関するグローバルルールの一部に関するWTO交渉の実質的な妥結を後押しし,すべての関係者から高く評価される積極的かつ建設的な役割を果たし,WTOと世界経済・貿易の発展に貢献した。
『Bloomberg』記者:
『WTO』についての補足質問です。中国はWTOの主要メンバーであり、自由貿易を支援する努力は高く評価されているとおっしゃいましたが、中国は締約国へのアクセスの自由を保証する政府調達協定(GPA)には加盟していません。なぜ中国は、自身は欧州市場にアクセスできるべきだと考えているのに、自国市場へのアクセスの面では欧州や他の『WTO』加盟国企業に同じ待遇を与えないのですか。
汪文斌:
あなたの理解は正確ではないと思います。 私が理解する限り、私たちは『WTO』政府調達協定(GPA)への加盟を積極的に申請しています。私たちは常に市場志向、法の支配、国際的なビジネス環境の構築に尽力していると言えます。
中国の市場は世界に開かれており、私たちは常に世界の市場、みんなの市場になることを約束します。
先ほどもご紹介しましたが、合衆国の経営コンサルティング・サービス会社であるA.T.カーニーが発表した「2024年世界対外直接投資信頼度指数」によると、中国の順位は昨年の7位から3位に急上昇しており、中国の対外開放が拡大していることを顕著に象徴しています。
さすがの汪文斌報道官もタジタジですね。当然です。ウソばかりついて自国の覇権の伸張をのみ考えている中国は、公正な貿易国などではないことが明らかだからです。
『Bloomberg』記者は「GPA」にフォーカスして質問をしていますが、中国は『WTO』に加盟したときにした約束をなんら守っていません。簡単にいえば、中国はウソをついて『WTO』に加盟し、自身を発展途上国と言い張って利益を享受し続けています。
「なぜ中国は、自身は欧州市場にアクセスできるべきだと考えているのに、自国市場へのアクセスの面では欧州や他の『WTO』加盟国企業に同じ待遇を与えないのですか?」がクリティカルな質問で、事の本質を突いたものです。
EUには「『WTO』のルールを順守しろ」といい、「中国にEU市場への(自由な)アクセスを許可しろ」と言い張っています。しかし、自身はEUに対して中国市場への(自由な)アクセスを拒否しているのです。
相互主義という観点から見れば、卑怯にもほどがある態度で、これは許されるものではありません。
そもそもが『WTO』に加盟させたのが大失敗で(これは『IMF』も同じ)、もはや「中国もやがて自由主義経済に移行していくだろう」という甘い考えが木っ端微塵に砕かれた現在、中国の処遇を根本的に考えるべきなのです。
中国は自由主義経済になど向かいません。向かっているのは、自由主義経済国から甘い汁を吸ってやろうという歪んだ経済システムを持つ独裁国家。そんな国を放置するのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)