韓国「日本に置いていかれた」と嘆き節。「失われた20年」そんな未来はなかった

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日本の幹細胞研究は実践段階にまで進んでいる――というので韓国メディア『朝鮮日報』に面白い記事が出ています。

記事から一部を以下に引きます。

(前略)
韓国と日本は2000年代初頭まで、未来医学の花と呼ばれた幹細胞研究をめぐって激しく競争していた。

韓国の幹細胞研究が2005年の黄禹錫(ファン・ウソク)事件というトラウマを経験し、「失われた20年」という沼にはまりもがく間に、日本は規制緩和、政府・企業の大胆な投資と国民の支持を受け、ノーベル賞まで獲得し、2033年に62兆ウォン規模に成長する幹細胞治療分野で世界1位に上り詰めた。

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「한국이 황우석에 갇힌 사이, 일본은 줄기세포 파고들어 ‘의료 혁명’」

若い読者の皆さんはご存じないかもしれませんが、世界も驚かせた一大捏造事件です。

黄禹錫(ファン・ウソク)博士はソウル大学教授で、2004年と2005年に科学誌『サイエンス』に以下のような画期的研究成果を発表しました。

2004年:「ヒトクローン胚から胚性幹細胞を得ることに成功」
2005年:「患者個別に対応した11種類のヒト胚性幹細胞の作製に成功」

これらの論文は世界の幹細胞研究をリードするものとされ、韓国内では「国家的英雄」と称えられ、ノーベル賞候補とも報じられました。

ところが、2005年後半、研究チームの一部関係者からの内部告発をきっかけに、データの捏造疑惑が浮上。

『MBC』の番組「PD手帳」が疑惑を追及し、世論は一気に反転。『ソウル大学』の調査委員会が調査に乗り出し、2006年01月に正式に研究データの全面的な捏造を認定しました。

まず、黄禹錫(ファン・ウソク)博士は実験データを捏造していました。

実際には存在しない幹細胞の写真やデータを複製・改ざんしていたのです。

倫理的な問題もありました。卵子提供にあたって、研究員自身や複数の女性から不適切な方法で卵子を入手していたのです。

また、(韓国でありがちな)公的資金の不正使用も指摘されました。

国からの多額の研究費(数十億ウォン)を受け取りながら、虚偽の研究成果で資金を獲得していたのです。

黄禹錫(ファン・ウソク)博士は『ソウル大学』を懲戒免職
サイエンス誌は論文を完全撤回

――となりました。

「国家的英雄」がウソだったわけですから韓国民の嘆きは尋常なものではなく、「ウソだった」のを信じないサポーターが擁護デモを繰り広げたほどです。こうなると、ただの信者です。

今回の記事に戻ると――「韓国の幹細胞研究が2005年の黄禹錫(ファン・ウソク)事件というトラウマを経験し、「失われた20年」という沼にはまりもがく間に……」などと書いています。

そもそも黄禹錫(ファン・ウソク)博士の成果なるものがまるっきりウソだったので、「失われた20年」もくそもありません。

失われる未来など最初からなかったのです。

日本は、ノーベル賞まで獲得し、2033年に62兆ウォン規模に成長する幹細胞治療分野で世界1位に上り詰めた――と憎たらしいといわんばかりの書きようですが、基礎技術の積み上げを嫌がり、華々しい成果だけは欲しがる実に韓国らしい話です。

室谷克実先生や池東旭先生が指摘するとおり、韓国というのは「外華内貧」という(日本にはない)四字熟語で象徴される国なのです。

『朝鮮日報』は以下のように書いています。

(前略)
日本は今年03~04月、1カ月の間隔で誘導多能性幹細胞(iPS細胞)研究に関連する臨床研究を最高権威の学術誌『ネイチャー』に相次いで発表した。

03月には日本『慶應義塾大学』の研究チームが、脊髄損傷で下半身が麻痺した患者がiPS細胞移植後、自力で立ち上がったという論文を発表した。

1カ月後には『京都大学』の研究チームが、iPS細胞で培養した神経細胞でパーキンソン病を治療した臨床研究を発表し、学界を驚かせた。

最近の日本の研究成果は、一朝一夕で成し遂げられたものではない。

iPS細胞を作る遺伝子因子を初めて解明した功績で山中伸弥『京都大学』教授が2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことをきっかけに、日本政府は幹細胞研究に全面的な支援を始めた。

2013年~2022年、「iPS細胞研究支援プロジェクト」に投資した金額は1100億円(約1兆ウォン)に達する。

その後も毎年80億~100億円の投資を続けている。また、日本政府は10年以上前から幹細胞治療に関連する規制も大幅に緩和し、大病院はもちろん、診療所でも幹細胞治療が可能になるようにした。

企業も投資で応じた。

日本の『武田薬品工業』は『京都大学』とiPS細胞治療薬の共同研究パートナーシップを結び、10年間で200億円(約1,900億ウォン)を投資するプロジェクトを進行中だ。

『ユニクロ』創業者の柳井会長は『京都大学』に100億円を寄付し、このうち45億円がiPS細胞研究に使われる。
(後略)

「金突っ込みやがって」という舌打ちが聞こえてきそうな書きようですが、これまた実に韓国らしい「そねみ」の箇所です。

韓国は「日本と同じお金さえ突っ込めば韓国も同じような成果を上げることができる」などと考えがちです。そのような浅はかな考えが間違っているのにも気付かないのが韓国の皆さんです。

自身で書いていますが、

最近の日本の研究成果は、一朝一夕で成し遂げられたものではない

が全てです。これはお金のことだと考えるのが駄目な点なのです。お金がなければ困るのは確かですが、多くの研究者が一生懸命地道に取り組んだ結果です。

まずそこを褒めるべきではないでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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