中国では、もう何も怖くないという「無敵の人」が増殖して事件を起こし、社会不安を醸成しています。
また「無敵の人」案件か――という事件が起こりました。
2025年07月01日11時頃、中国・吉林省長春市にある『南方航空』吉林基地で死傷事件が発生しました。
エアバスA321の機長を務める李某の男性(31歳)で、運航部の管理職と面談。この李某さんの資格・能力のチェックで不合格との評価を受けたことについての話し合いでした。
資格チェック報告書によれば、
「必要知識や規定・手順を習得しておらず、実行できていない」
「通信喪失時の手順を正確に把握していない」
「コックピットドアの電子ロックの暗証番号を正確に覚えていない」
――といった問題が指摘されており、李某さんには全面的な再研修と理論試験を受けることを勧告するものでした。
この会話の途中、李某さんは運航部党委書記の劉某さんと運航部マネージャーの朱某さんを刺し、さらに制止に入った吉林基地の労働組合主席および別の地上職員に暴力を振るい、その後、15階から窓を破って身投げし、亡くなりました。
以下が当局が出した警情通報です。
警察通報
2025年07月01日午前10時22分、長春市二道区の吉林大路と洋浦西街の交差点付近で刑事事件が発生した。
中国南方航空吉林支社の社員、李某某(男性、31歳)は、仕事上のトラブルにより、同僚の黄某(男性、52歳)、李某(男性、47歳)を刺した後、ビルから飛び降りて死亡した。
黄氏および李氏は病院に搬送されて治療を受け、命に別状はない。現在、事件はさらに捜査中です。
長春市公安局 二道区分局
2025年07月02日
台湾メディアの報道によれば――、
自死された李某さんは、1993年生まれの31歳。『南方航空』で約10年間勤務したパイロットでした。結婚し、子を持つ父親でもあり、明るくハンサムな外見が印象的。これまで仕事で数々の表彰を受けており、優秀なパイロットとして知られていた
――となっています。
優秀なパイロットなら、勤務評価に「必要知識や規定・手順を習得しておらず、実行できていない」とあるのは矛盾します。
2025年07月04日、残された奥さんがSNS上で以下のような投稿を行っています。
「夫が事件を起こした後、南方航空から家族への連絡が一切なかった」
「約10年間会社に貢献し、多くの賞を受賞してきた夫が、なぜ突然このような結末を迎えたのか。会社でどんな不当な扱いを受けたのか、真実を知りたい」
――この奥さんの投稿からすると、この事件の背景には何か表に出ていないものがあるのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)