金利上昇トレンドにもかかわらずドルの全面安という奇妙な局面となっています。直近の米国債10年ものの金利は以下のような推移です(『Investing.com』より引用)が、この上昇傾向がドル高に反映されていないのです。
この奇妙な「ドル安」の原因は何でしょうか?
『ロイター』に池田雄之輔先生による「原油価格の上昇が原因である」という主旨の論説が掲載されています。
池田先生によれば、
●原油価格の上昇が主因
で、そもそも、
●ドル通貨価値は原油価格と逆相関が高い
ですから、金利上昇により期待されるドル高効果以上に、原油価格上昇がドルを安く押し下げている、のだと。
池田先生の試算では、
「昨年10月末から今年1月12日までの間に、米5年金利が約0.35%ポイント上昇したことは約3%のドル高要因である一方、原油価格が約10ドル/バレル上昇したことが、約4%のドル安要因になっている。ドル安圧力が優勢なのだ。」
となるそうです。
⇒引用元:『ロイター』「円安シナリオは冬眠中、ドル全面安の主犯を探す」池田雄之輔
https://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yunosuke-ikeda-idJPKBN1F80T4
ドルと石油価格についての考察は、初心者投資家にとっても有益な知識でしょう。アメリカではシェールオイルの生産が急上昇しており、やがて世界最大の産油国ロシアに生産量で並ぶ、という話が出るほどです。価格が維持できるのか、などは注視するポイントですね。
(柏ケミカル@dcp)