日本の人口が減ってそのため将来的には不動産の価格が劇的に下がり、従って今慌てて高値で不動産を購入しなくてもよいなんて話があります。これは本当でしょうか? 中堅不動産ディベロッパーで活躍する営業マンに話を伺い、その真偽を確かめてみました。
■不動産投資を考えるなら都内の山手線の内側は鉄板
――日本の人口が減ると不動産価格は下がりますか?
それは下がるでしょうね。そのぶんニーズがなくなるということですから。ただですね、いくら日本の人口が減っても、例えば東京の都心などのニーズの高い場所の不動産価格が下がるとはあまり思えません。
――場所によって異なる?
もちろんそうですね。東京都心部、また人気の高い住宅地、日本各地の重要な商業用地、住宅地などでは、人口減少による不動産価格の大幅な下落は考えにくいです。
――将来的に不動産の資産価値を下げたくないという人もいると思いますが。
現在不動産の購入を考えている人、また所有している人は当然そのように思われるでしょう。資産価値が減じにくい物件はやはり立地に尽きます。都内の山手線の内側などは資産価値が減じにくい場所ですよね。
■不動産価格も二極化が顕著
――実際のところ、現在の不動産物件の需要、供給バランスはどうなっているのですか?
全体的にやや供給過剰という感じですね。ですから不動産価格は落ち着いています。ただし顧客の二極化傾向は強まっているように思います。
――どういうことでしょうか?
高所得者と低所得者の格差が広がったことにより不動産の価格も価格差が広がっています。お金持ちの人用の高付加価値物件が増えています。
――ちょっと嫌な話ですね(笑)。これは人口減少などとも関連があると思いますか?
20-40歳代という不動産の購入層が将来的に減るわけで、その一方で高齢者の人たちがお金を持っているという現実があります。
お金を持っている人向けの、例えば介護サービス付きの高級マンションといった物件があるわけです。実際、高齢者向け高付加価値物件というのは登場していますしね。不動産業者も工夫をしていかないと売上を確保できなくなりますから。
今回聞いた話をまとめると、
●将来的に「人口減少による不動産価格の下落」はあるだろう
●しかし、需要の高い地域の不動産価格が劇的に下がるかは疑問
ということでした。将来的に、もし資産価値を減じたくないのであれば、「立地」を十分考慮して購入すること、ですね。
(高橋モータース@dcp)