2020年03月10日、すでに破綻しているのにまだ動いている韓国『双竜自動車』に朗報がもたらされたました。例の「Pプラン」についてです。
Pプランとは「Pre-packaged Plan」のことで破産手続きの一種で、あらかじめ再建プランに債権者の合意を取り付けておき、法定手続きを短縮する手法のことを指します。
『双竜自動車』が目論んでいるのは、以下のような計画です。
②『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』が有償増資を行う
(投入する金額は2億5,000万ドル)
①の減資ですが、これを行うことによって現在は74.7%のインド『マヒンドラ&マヒンドラ』の株式保有比率を「25%」まで下げて、『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』が「51%」の支配権を持つことになります。
しかし、そもそも①が難関で、『マヒンドラ&マヒンドラ』は合意するのか?だけではなく、先にご紹介したとおり、この減資には『インド中央銀行』の許可が要るのです。「外国株式の売却する際に減資を行うことは許さない」と規定しています。
特別な例外でなければ許可は出ません。ところが、韓国メディアの報道によれば『インド中堂銀行』が許可を出した、というのです。
もしこの報道が正しければ①はクリアできることになりそうです。ここまで『マヒンドラ&マヒンドラ』は『双竜自動車』に「6,925億ウォン」(約658億円)突っ込んできました。少しでもいいから回収したいようです。会社清算になって丸損になるよりはましですからね。
というわけで、焦点は、
になります。『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』は上記のとおりわずか「2億5,000万ドル」しか投資しません。これはウォンにすると「2,840億ウォン」です(「1ドル=1,136ウォン」で換算)。
ところが、2020年12月21日までに公的債権(公的支援の返済など)が「3,100億ウォン」、01・02月の給与(『双竜自動車』は現金枯渇を理由に従業員に給与を支払っていません)に各種税金などで「600億ウォン」、合わせて3,700億ウォンを支払う必要があります。
この3,700億ウォンは、買収が成立したら『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』がすぐに支払わなければならないのです。
投入する金額は2,840億ウォン、すぐに3,700億ウォン出ていく。見えてるだけで赤字で無理です。
そもそも『HAAHオートモーティブ・ホールディングス』にまだ投資の意志があると言い続けているのは『双竜自動車』だけです。
それが本当かどうか間もなく分かるのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)