中国の金融情勢が面白くなってきました。いよいよ地方の不動産バブル瓦解が始まったのでは、という観測が出ています。『Financial Times』に
中央銀行である『中国人民銀行』が、金融機関に「新規融資のレベルを2020年第1四半期と同レベルに保て」と指示した
という報道が出ました。ソースは『中央人民銀行』の関係者とのことですが、流動性の高まり過ぎがバブルを生じさせており、これを止めるための指示です。
2021年01・02月には、新規融資が対前年同期比で16%増加したというデータがあり、この資金が不動産など資産市場に流れ込んでいるのです。
2021年01・02月
中長期の個人ローン:1兆4,000億元(対前年同期比:72%増加)
(住宅ローン含む)
中長期の個人ローン:1兆4,000億元(対前年同期比:72%増加)
(住宅ローン含む)
融資金額の増加幅が尋常ではありませんし、
2021年01・02月
新築住宅販売:133%増加
不動産投資:38%増加
不動産ローン:14%増加
※全て対前年同期比
新築住宅販売:133%増加
不動産投資:38%増加
不動産ローン:14%増加
※全て対前年同期比
というデータもあります。ちなみに上記の「1兆4,000億元」(約23兆5,760億円)は過去最高値です。
もともと中国は証券市場がインチキなものですから(これまで幾度もご紹介したように業績開示も適当ですし格付けなど全くアテになりません)、巨額が不動産に流れ込むようになっています。
中国当局としてはバブルを崩壊させないために適度に市場を膨らませていくしかありません(これ自体がそもそも無茶)。が、ここにきていよいよ膨らみ方が尋常ではなく、中央銀行が泡食っているというわけです。
「日本のバブル崩壊に学んだ中国当局は失敗しない」などという賢しらな言説もありますが、中国当局のお手並み拝見、です。
(吉田ハンチング@dcp)