韓国の現文在寅政権は脱原発・クリーンエネルギー政策を掲げ、太陽光・風力発電施設の増設に励んできました。
再生可能エネルギーを普及させるために補助金を投じてきましたが、その総額が巨額になっていることが報じられています。
韓国メディア『毎日経済』の記事なのですが、『国民の力』ユン・ウンソク議員が関係省庁から集めた「補助金全数調査」データを基にしています。
これまでの実績では、
2017年:9,770億ウォン(約938億円)
2020年:2兆6,344億ウォン(約2,529億円)
2017~2020年累計:6兆3,315億ウォン(約6,078億円)
⇒データ引用元:『毎日経済』「[独占]文政府の4年間、再生可能エネルギーの補助金2.5倍に急増」
※計算すると「約2.7倍」になるのですが記事タイトルは原文ママ
文在寅政権下で補助金の規模は約2.7倍になり、累計約6,078億円使いました。
同記事は、このまま伸びを維持すると2030年には8兆8,723億ウォン(約8,517億円)になると予測しているのです。
不正が横行する「電力買取制度」
補助金が急増している理由のひとつは電力買取制度にあります。2018年に、小型の太陽光発電施設から長期に固定金額で買い取る「韓国型FIT」という制度が施行されているのです。
もともとは小規模発電業者に発電事業を続けてもらうために作られたもので、市場価格の1.2~1.5倍で買い取ってくれます。特に農業・漁業・畜産業・協同組合は優遇されており、また一度契約すると20年間固定価格で買い取りが行われます。
どうなったかというと、「農業を行っています」などとうそをいって契約する事業者が続出したのです。
同記事から一部を引用すると以下のような具合です。
(前略)再生可能エネルギー補助金制度を悪用して不正受給をする「偽農夫」が増えたため、政府はあたふたと実態調査に乗り出した。
今月16日から11月30日まで「2021年全国農地利用実態調査」を実施する。
最近10年間で管轄外居住者が継承、また取引で取得した農地約24万4,000ヘクタール、農業法人が所有する農地1万3,494ヘクタールを全数調査することを始め、全25万8,000ヘクタールの農地所有・利用状況を集中的に点検すると15日、明らかにした
(後略)※引用元は同上
大事になってきましたが、それほど補助金の拡大が異常で問題なのです。
しかし、その一方で韓国政府は文在寅大統領が発表した「2050年までにカーボンニュートラル」を実現するため、電気買取制度を再編し、さらに補助金を拡大するつもりです。
先にご紹介したとおり、ソウル市が行った「太陽光発電を普及させて原発1基分の電力を確保ようとした事業」なども大失敗に終わっています。
日本でも似たような主張をする議員さんがいらっしゃいますが、韓国の失敗をつぶさに調査し、他山の石とした方が良いのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)