トルコリラがまた大変なことになっています。以下のドル・トルコリラチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
まさに「なんだこりゃ」なチャートですが、01月01日は「1ドル=7.4392トルコリラ」だったのですが、12月17日には「16.4135トルコリラ」と、ドルに対して「120.6%」も安くなっています。
トルコリラはこの約1年で半値以上に安くなったのです。
このような異常な通貨安は何度もいいますが、エルドアン大統領のおかげです。インフレなのに利下げを行うという非常識な政策を推進し、常識的に利上げを行おうとした中央銀行総裁を次々と飛ばしてきた成果です。
以前にご紹介したことがありますが、このエルドアンという人はいわばイスラム原理主義者な側面を持っており、「利子を取るのは悪である」と考えている節があるのです。そのため、金融政策の常識が通用しません。だからといって、国民を経済的に困窮させていいわけはないのですが、自身の考えに固執しています。
トルコをひどいインフレが襲っていますが、今度は「最低賃金を上げる」と言い出しています。これがまたトルコリラ安を加速させました。
市場は「駄目だこりゃ」といっているわけです。
通貨防衛のために外貨準備を投入するようになっているとのことですが、一番簡単なのはエルドアン大統領を解任して「常識的な金融施策を取る」と宣言すればいいのです。これで恐らく、トルコリラ安はとりあえずは休止するはずです。
トルコ大統領はなぜ頑なに「利上げ」を拒否するのか?
トルコでインフレが進行し、極端な通貨安に陥っていることは各種ニュースで皆さんもご存じのとおりです。このような場合には金融政策として「利上げ」を行わなければなりません。つまりお金の価値を上げるために、流通量を絞るよう誘導するわけです。これは経...
(吉田ハンチング@dcp)