韓国がイランに原油代金の支払いを行っておらず、これが巷間「70億ドル」に上るといわれています。
イラン側は折に触れて「70億ドル支払え」と韓国に要求し、韓国は「イランに対する制裁が解除され、アメリカ合衆国の許可が出ないと送金はできない」と突っぱねています。
この原油代金を巡っては、韓国籍のタンカーが拿捕されたり、「コロナ検査キットと救急車を買って送るから」という韓国側の提案をイランに「恥知らずな提案だ」と拒否されるなど、神経戦が繰り広げられてきました。
先にご紹介しましたが、韓国はイランの凍結資金で「国連の分担金を支払いましょう」などと提案していました。これが実現した模様です。
2022年01月21日、韓国企画財政部は「イラン凍結ウォン資金による国連分担金の納付完了」というプレスリリースを出しました。
イラン凍結ウォン資金による国連分担金の納付完了
韓国政府は米国財務省海外資産統制室(OFAC)、国際連合(UN)事務局など関係機関と積極的に協力し、国内イランウォン資金を活用したイランのUN分担金(18百万ドル、約222億ウォン)の納付を1.21日(金)完了した。
ㅇ去る1.13日、イラン政府はUN分担金未納による総会投票権の喪失などを懸念して、国内イラン凍結資金でUN分担金を納付してくれるよう韓国政府に緊急要請した。
ㅇこれに伴い、韓国政府は、昨年6月、イランのUN分担金(16百万ドル、約184億ウォン)をウォン資金で納付した経験をもとに、OFAC、UN事務局、金融機関など関係機関とイラン資金移転手続きを迅速に協議した。
ㅇ国連分担金の納付完了により、イランの国連総会投票権は直ちに回復すると予想される。
分担金を納付しないと国連での投票権がなくなるというので、イラン政府からの要請で韓国政府が「イランの凍結資金」から「イランの国連分担金」を支払ったと述べています。
金額は「1,800万ドル」(約20億4,606万円)ですから、韓国が凍結している70億ドルと比較すれば焼け石に水ですが。
注目は、このプレスリリースでは「ウォンで支払った」と読めることです。ドルを温存したかったのでしょうか。国連からすると「ハードカレンシーで払ってよ」だったかもしれません。
日本も「約15億ドル返せ」といわれています
「韓国はせっつかれているが日本はイランから言われていない」とされることがありますが、これは間違いです。日本も駐イラン大使が呼び出されて文句を言われたりしてはいます。ちなみに、日本が支払っていない金額は「約15億ドル」とイランメディアでは報じられています。
韓国のようにタンカーが拿捕されたりはしていませんが。
(吉田ハンチング@dcp)