中国は国際法を守らず、南シナ海に勝手に九段線なるものを引いて古来から中国の領海であるなどとうそぶいています。
中国はかつてあった国の恥をそそぐとしており、明・清の時代に(自分たちが)領土・領海である(とみなしていた)場所を現在の国際法を無視して取り返すつもりなのです。
中国の国恥地図
近年、ネットで有名になり、広く知られるようになった「国恥地図」というものがあります。
中国がいかに領土を失ったのかを図示したもので、例えば上掲は上海の中央地理協会が刊行した1916年版の国恥地図とされています。屈辱を忘れないために作られました。
1916年は、袁世凱が国号を「中華帝国」に改めて国内が大混乱に陥った年です。1916年版の左右の柱には、孫文先生の言葉が書き込まれています。
右:国際的な平等と自由を失った今の中国は、もはや完全な独立国とは言えぬ。 一般に半植民地といわれるが、私見では、中国の地位は高麗や安南より低いので、完全な植民地とはいえず、一種の副植民地と呼ぶべきだろう。
左:我々中国人は、民族精神を復活させ、協力して租借権、関税権、領事裁判権の返還、全ての不平等条約の破棄のために戦うことを望まなければならない。我々中国は世界の中の国家ではなく、我々中国人も世界の中の国民ではなくない、そんな状態にまで堕落してしまっているのだ。
中国人が屈辱を忘れないようにと、このような国恥地図が出版が続きました。
例えば、以下は1929年版とされるものですが、まるで耳なし芳一のように細かく「その土地がどのように中国のものでなくなったのか」が書いてあります。
当然ですが、国恥地図には朝鮮も含まれています(以下が部分拡大)。1910年に日本が併合したので、中国はすっかり宗主国面ができなくなったのです。
朝鮮は中国のいうことはなんでも聞いた
朝鮮については、「朝鮮は我が国の藩属であったのに、光緒21年に馬関条約によって独立し、宣統2年に日本によって滅ぼされた」と書いてあります。
地図には明確に「朝鮮は我が国に属したものであったのに……」と悔しそうです。韓国の皆さんは「いや、李氏朝鮮の時代から朝鮮は独立した国家だった」と憤慨するかもしれませんが、中国側はそんなこと微塵も思ってはいませんでした。
例えば、(清朝末期に日本に着任した)初代駐日公使・何如璋は「朝鮮は清廷の勅諭には絶対服従する。事あるごとに上達してくるさまは、内地の郡県といくらも違わない」と述べています。
中国は朝鮮についてそのような認識でしたし、朝鮮側にしても中国内の郡県とほとんど変わらないような応対をしていたのです。
中国が「朝鮮はうちの一部」と認識しても、中国・朝鮮共に困らなかったわけです。しかし、日本は1000年以上続いた中国による掣肘をずばっと断ってしまいました。
朝鮮半島は日本のケツもちによって初めて中国と対峙することが可能になったのです。
中国は朝鮮も取り返すつもりなのか?
中国はその後も「朝鮮はうちのもの」という認識は捨てず、1932年には、中国政府が国際連盟に対して、その宗主権を「歴史の淵源する中国固有の権利」と説明しています。
現在の中国共産党政府いうところの「我が国の核心的利益」「中国固有の領土であることは自明」などという説明と恐ろしくそっくりです。
中国共産党は、内モンゴルやチベット、ウイグルの住民を中華民族と呼称し、不可分の領土などと強弁して抑え込んでいます。これを「不可分の領土」を取り返したのだとして、では、朝鮮を取り返すつもりはあるのでしょうか?
これについては予見者である古田博司先生が福島香織先生との対談で以下のように答えていらっしゃいます。
(前略)
福島 ですよね。でも一緒になってしまった(北朝鮮と南朝鮮が統一するという意味:引用者注)ときに、あそこが国家として成立するかというのは微妙です。なぜなら、古田先生が言われたように行き止まりの廊下で、国家の正統性のない、要するに国家として成り立たないようなところなのです。ということは、中国に併合されるしかないという話になってくる。(後略)古田 ただ併合といっても、経済的にだけだと思う。というのは、中国人も朝鮮半島の人間がどんなに始末のわるい人々か知っているからです。ですから、絶対に内部には取り込みません。中国がベトナムと北朝鮮を呑み込まないで独立させたことからもそれは分かります。
福島 両方とも手に余る。中国的にはやっぱり敵意ある者を中に入れてしまうのは嫌なのでしょうね。
古田 さっきも言ったけれど、ベトナムは天敵、コリアは「素質不好」。
(後略)⇒参照・引用元:『日本人なら知っておきたい中国人の『嫌韓』韓国人の『反中』』著:古田博司、福島香織,ビジネス社,2022年04月15日第1刷発行,p182
古田先生の予見によれば、中国は朝鮮半島の皆さんがどれだけたちが悪いのかをよく知っているので直接取り込むなどということは絶対にしない――とのことです。
ただ、かつてのように「中国内の郡県とほとんど変わらないような応対をしなければならない」ほど経済的に取り込まれてしまうことはあり得るかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)