韓国の世にもあほらしい「統計データ改ざん」

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韓国の監査院の手は、前文在寅政権による「統計データの改ざん疑惑」にも及んでいます。統計庁が公表するデータが、文在寅大統領に都合のいいように歪められていた――ことが明らかになりつつあるのです。

妄想を現実にしようとした文在寅政権

文在寅政権は発足当初から「所得主導経済」という妄想を基に政策を実行しました。大統領公約であった「最低賃金1万ウォン」を実現すべく、大幅な最低賃金引き上げに踏み切ったのです。

所得主導経済の主張するところによれば、

労働者の所得が増加する
労働者の消費が増加する
企業の収益が増加する
企業が労働者の給与を上げる
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という、風が吹けば桶屋がもうかる式のサイクルができるはずでした。

で、まずを達成すべく、政府が強制して「最低賃金を上げた」のです。

どうなったかというと、読者の皆さんもご存じのとおり、最低賃金を支払うことのできない「雇用側」――小規模な零細企業、個人事業主の廃業が相次ぎ――雇用が逆に減少したのです。

賃金を上げることのできる大企業などはそれに従いますから――結果、貧富の格差が拡大しました。

この結果を受けて、大統領室はどうしたかというと、能天気でアンポンタンな文在寅大統領の権威を守るために(そんなもの守ったところでいったいなんの得になるのか全く分りませんが)、データの改ざんに乗り出したのです。

世にもあほらしい統計データの改ざん

監査院の監査によって以下のような経緯だったことが分かっています。

2018年08月、「01~03月期の家計動向調査によって、所得下位20%以下(所得第1位階層)の所得が、対前年同期比で8.0%も減少し、所得格差が03年に統計を取り始めて以来、最も大きくなった」と判明しました。

つまり、最低賃金を大幅に上げた結果、思惑との真逆の結果となったのです。文在寅大統領の施策は、貧富の格差を過去最大に拡大しました。

ちなみに付言しておきますが、このようになることは事前に一部の識者から指摘されていました。

この事態に慌てふためいた大統領室は、データの加工に乗り出します。

これに先立つこと、大統領室はそのための準備も怠りませんでした。統計庁長官だった黄秀慶(ファン・スギョン)さんが海外出張をしている間に、統計庁の代理決済によって「非公開統計資料」訓令を改正。

この訓令改正によって、統計庁の非公開資料について例外規定が設けられました。大統領室が非公開資料を入手しやすくなり、実際、例外規定の第1号申請者は洪長杓(ホン・ジャンピョ)経済主席秘書(当時)です。

Money1でも先にご紹介したところがありますが、この洪長杓(ホン・ジャンピョ)さんこそ、文在寅大統領の唱えた「所得主導経済」の導師メンターです。

申請者は洪長杓(ホン・ジャンピョ)経済主席秘書で、統計庁からデータを受け取ったのは、保健社会研究所の研究室長だった姜信ウク(カン・シンウク)さんです。

文政権にとって最悪の結果だったので、カン・シンウク室長らは、急激な最低賃金の引き上げで直撃を受けた自営業者・失業者を除外して、新しい数値を作り出しました。

こうして加工された報告書が青瓦台に報告されました。

その後に開催された「国家財政戦略会議」で文在寅大統領は、これを基に「所得主導型成長の失敗だとか、最低賃金の急激な増加によるものだという診断が安易に下されているが、これに対して政府がうまく対応していない」と不満を表明。

「(所得主導型成長と最低賃金引き上げの)肯定的な効果は90%」と現実に反する発言を行いました。

現実が自分の思いどおりにならないので、08月26日、文在寅大統領は統計庁の黄秀慶(ファン・スギョン)長官を更迭。代わりにデータ改ざんの指揮を執った姜信ウク(カン・シンウク)さんを据えたのです。

27日、退任式に臨んだ黄秀慶(ファン・スギョン)さんは、悔しかったのでしょう、「統計が政治的な道具にならないように心血を注いだ」と涙ながらに話しました。

また、メディアからのインタビューでは「私はそれほど(青瓦台の)話をよく聞く方ではなかった」と、政権の意向を汲まなかったことが更迭の原因になったとほのめかしています。

一方、統計庁長官になった姜信ウク(カン・シンウク)さんは、同日、経済閣僚会議に出席して「閣僚たちの政策に良い統計で報いる」と述べました。

統計データを歪めては正しい政策を行えるわけはありません。文在寅政権の経済政策はそもそも間違ったものでしたが、統計データを歪めることで、さらにおかしなものになることを自ら選んだのです。

文在寅政権の統計データ改ざんは、この雇用政策関連だけでなく、不動産関連でも指摘されており、監査院の監査が行われています。

ことほどさように、文在寅政権というのはロクなものではありませんでした。

Money1的には「関税庁が公表してきた、通関ベースの輸出入動向のデータ」にも改ざんの手が及んでいなかったのかを調査していただきたいところです。

「1カ月のうち20日まで赤字だったのに、なぜ残りの10日間で黒字にひっくり返せるのか」について、さかのぼって調べていただきたいのですが。

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(吉田ハンチング@dcp)

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