中国の主導する『アジアインフラ投資銀行』(AIIB:2015年12月設立)は、いまだに日本に秋波を送ってきます。『AIIB』は「一帯一路」の建設と連携しており、これが他国を債務の罠にかけるトリックであることは広く知られるようになってきました。
日本は安倍晋三首相-麻生太郎副総理兼財務相が「誰が乗るかそんなバスに」と一蹴して大正解でした。実際、『AIIB』など中国共産党が日本から金を吸い上げるための手管の一つです。
麻生閣下は2017年11月29日、
「金を借りた方も、ちゃんと計画を立てて返済しないと、サラ金に取り囲まれちゃうみたいな話になった場合、元も子もない」
「金を貸した経験のない人が急に貸すという話だ。お手並み拝見だと思って見ている」
と述べています。
当時「バスに乗り遅れるな」などと言った識者がいましたが、昔同じ「バスに乗り遅れるな」として乗ったのが枢軸国バスだったことをすっかり忘れてしまったかのようでした。
ここにきてカナダが「『AIIB』は中国共産党によって支配されている」との疑惑について調査を始めています。
『Reuters(ロイター)』などの外信が伝えていますが、2023年06月14日、カナダのクリスティア・フリーランド財務相は「中国主導の『AIIB』が中国共産党に支配されているという疑惑を調査する間、同銀行との関係を凍結する」と明らかにしました。
また「調査のいかなる結果も排除しないと」していますので、カナダは(あくまでも結果次第ですが)2018年03月に正式に参加した銀行から撤退する可能性があります。
同銀行のカナダ人グローバル・コミュニケーション・ディレクターが14日に辞任。同銀行を「共産党に支配されている」と批判しています。
この動きについて『Reuters(ロイター)』が中国外交部に直球質問を投げています。どういう回答だったのかをご紹介します。以下が中国外交部が出したプレスリリースの該当箇所です。
『Reuters(ロイター)』記者:
カナダは『アジアインフラ投資銀行』(AIIB)が「中国共産党に支配されている」という疑惑を調査しており、調査期間中は同銀行との関係を凍結している。これについて、外務省はどのようにコメントしているのか。汪文斌:
『AIIB』は設立から7年間、加盟国の共同努力により、国際的、標準的、高水準の業務を堅持し、制度構築、戦略政策、投資業務の面で一連の重要な成果を挙げ、国際社会から広く認められている。職員の退職に関する詳細については、『AIIB』に問い合わせてください。『AIIB』は、65の国や経済圏から集まった職員の採用や管理において、開放性、実力主義、透明性の原則を遵守しており、雇用主としての評価は一般に認められていると理解している。
『AIIB』の筆頭株主として、中国は、あらゆる関係者と協力し、多国間主義を堅持し、『AIIB』を共同で支援し、うまく運営し、アジアと世界のインフラ整備と持続可能な開発に積極的に貢献することを続けていく。
汪文斌報道官は「『AIIB』は一連の需要な成果を挙げたと国際社会から広く認められている」と述べていますが、「病人の布団をはぐような成果を挙げたと認められている」の間違いではないでしょうか。
そもそも中国が株主ということは、「= 中国共産党が株主」です。『AIIB』の上に中国共産党がいるのは自明のこと。どんな調査結果が明らかになるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)