家計負債が再び増加に転じて『韓国銀行』も懸念する状況となっています。Money1でもご紹介してきたとおり、家計負債だけではなく、企業負債の増加も気がかりな状況です。
もちろん返済(あるいは借り換え)できるならいいのですが……。
韓国メディア『ソウル経済』が、市中銀行5つのうちの4つ、4大銀行を持つ金融グループ持株会社の不良債権の金額(2023年上半期時点)を調査した記事を出しています。
まず4大というのは、
『国民銀行』グループ
『新韓銀行』グループ
『ウリィ銀行』グループ
『ハナ銀行』グループ
です。また、貸し出し債権の危険度について以下のように区別しています。
1.正常債権
2.要注意債権
3.回収不能債権
2.要注意債権
3.回収不能債権
同紙の分析によれば、不渡りを出すなどして「3」の不良債権に分類されたのが、
企業融資:5兆5,400億ウォン
家計融資:3兆3,400億ウォン
小計:8兆8,800億ウォン
家計融資:3兆3,400億ウォン
小計:8兆8,800億ウォン
に達したとのこと。計「8兆8,800億ウォン」ですから、約9兆ウォンです。
2022年末には合計「6兆9,600億ウォン」だったので、6カ月で27.6%も増加しました。
ところが、貸し出し債権の残高規模は「1.1%」しか増加していません。
ということは、不良債権が異常に増加している――貸し出し債権の「質」が急速に悪化していることを意味しています。
忘れてはならないのは「満期償還と元利返済の猶予措置」がまだ続いており、それによってせき止められている不良債権がある――という点です。
不良債権が一気に膨らむと金融機関の健全性を揺るがしかねません。
韓国当局の手腕が問われます。
(吉田ハンチング@dcp)