中国で金融関連「逮捕・失脚」続々の異常。9,600億元の不始末はこれからだ

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こういうのこそ「チャイナボカン」というべきです。

不動産セクターが傾き、輸出も伸びず、消費も低迷している中国は経済を建て直す方法が見えません。日本ではあまり報道されませんが、中国では金融関連で続々と逮捕者、行方不明者が出ています。

2023年08月21日、『中国銀行券印刷造幣集団有限公司』取締役の陳義清さんが、08月28日には『国家税務総局』徴収管理・科学技術発展部監察官の趙国际さんが拘禁され調査を受けることになりました

同28日には、『中央紀律検査委員会』(略称「CCDI」)の常務委員会が開催され、李希書記(政治局常務委員でもある)が「経済の重大な決定事項の実行を推進するために強力な政治監督を行うべきであり、政財界の癒着や資本の政界への浸透を断固阻止すべき」と述べました。

これを受けてのことかは不明ながら、29日、江蘇省財政部の副監察官である項林さんが、重大な規律違反と法律違反の疑いで逮捕、調査を受けていることが判明。

08月だけで、他に少なくとも9人が失脚しています。

『中国農業銀行』江西省銀行規律委員会秘書の馬清升
『中国農業開発銀行』四川省銀行シニアクレジットマネージャーの蒙君
『中国工商銀行』湖北省支店副総裁の邱世杰
『中国工商銀行』資産管理部部長の顧建綱
『中国輸出入銀行』リスク解決監督作業グループ第一グループ長の朱燦璋
『交通銀行』金融技術部総経理の周彦倜
『交通銀行』広東省支店総裁の周宝志
『交銀金融科技有限公司』副総裁の孙毅坤
『交銀金融租賃有限公司』副総裁の馬賓

これだけ金融関係の人々が次々捕まるのは異常という他ありません。自身で述べているとおり、これは政治的な動きです。

ただ、『中央規律検査委員会』が頑張って何人捕まえても同じです。中国共産党の高官など贈収賄が基本ですので、ザルで水を汲むようなものです。

だからこそ習近平総書記の「反腐敗」運動が効くのです。政敵を葬りたければ、誰でもいいから「反腐敗」の名の下に捕まえれば、後から証拠はいくらでも出てきます。

中国共産党の支配によって経済の根本から腐っていますので、直りようがないですし、直す手段もありません。中国共産党政府を瓦解させて市場主義経済で建て直しする以外に方法などないのです。

2023年8月21日以降、中国の不動産会社289社が債務の満期を迎え、その規模は約9,600億元(約19兆3,344億円)と目されています。

全くの身から出た錆ではありますが、中国金融関連高官の皆さんは、中国共産党によってこれらの不始末の責任をとらされることになるのです。

トカゲのしっぽなど何本切ったところで、事態は好転などしませんけれども。

(吉田ハンチング@dcp)

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