すでに読者の皆さまもご存じかもしれませんが、2024年02月23日、中国・南京市雨花台区の「明尚西苑」6号棟で火災が発生。34階建ての高層マンション(集合住宅)ですが、日本人の目には「ペナペナの板みたいで倒れないかしら」と見えるかもしれません。
↑鎮火後の「明尚西苑」6号棟。猛烈な火勢のため建物の壁面が黒く焦げています。
23日24時の時点で当局の公式発表によると、この火災で15人が死亡、44人が負傷(重篤1人/重症1人/軽症42人)となっています。痛ましい被害ですが、火元は「电动自行车」(電動バイク、あるいは電動自転車/以降「電動バイク」と表記)と見られています。
この集合住宅の地上階には自転車置場があって、ここで発火し、火が上層階に回ったものと見られています。かねてより――こういう集合住宅では吹き抜けの箇所があり、それが煙突の役割を果たして火が回りやすい――という指摘がされていました。
亡くなった方も多く、大惨事ですが、このような電動バイクによる火災は、実は中国では珍しいものではありません。「燃えすぎ」と断言していいほど燃えています。
電動バイクによる火災は年間2万件を超える!
中国では電動バイクの火事は、日本人からすれば信じられないほど多発しています。
↑日常の足として電動バイクは使われており、このような駐車スペースが用意された箇所もあります。
中国の国家消防救助局の統計データによれば、以下のようになっています。
2022年:1万8,000件(+23.4%)
2023年:2万1,000件(+17.4%)
※( )内は対前年同期比の増減
中国全土でなんと2万1,000件も火災が発生しているのです。1日平均「57.5台」燃えていることになります。
例えば、2023年12月13日には、広東省恵州市の高層住宅街で火災が発生しました。
12Fの8号室から出火したのですが、調査の結果――
電動自転車を室内に入れて充電中していたところバッテリーが異常発熱し、周囲の可燃物に引火した
――と分かりました。未成年者2人が亡くなっています。
このように、中国では電動バイク(あるいは電動自転車)はやたらに燃えています。なぜ燃えない製品を造ろうとしないのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)