韓国の産業通商資源部が「2024年02月の自動車輸出」についてのデータを公開したのですが、姑息なことをしています。
2024年の02月までで、自動車輸出は対前年比で7.5%増加と書いています。これにはウソはありません。しかし、02月がどうなったのか?が焦点のデータ公開です。でなければ毎月公表しないでしょう。
02月は――実は対前年割れだったのです。
以下が資料の中にある月次データです。
2024年02月
自動車:51億5,600万ドル(-7.8%)
⇒エコカー:17億1,200万ドル(-15.3%)
自動車部品:19億8,200万ドル(-1.6%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「02月まで自動車輸出114億ドル、前年比7.5%増加」
01~02月で「対前年同期比で+7.5%」は、間違っていませんが、明らかにミスリーディングを誘ったものです。
単月で見ると、自動車全体で「-7.8%」。その内、韓国が誇ってきた電気自動車(BEV)は対前年同月比で「-15.3%」と大幅減少です。
※韓国にはハイブリッドの技術はありませんのでエコカーのほとんどが電気自動車です。
01~02月の累計で見てもエコカーは「-0.6%」ですから、電気自動車強国に陰りが見えてきたのは明らかです。
さらに面白いのは地域別の輸出です。以下です。
対北米輸出:27億6,900万ドル
⇒対前年同期比:+1.0%/対前月比:-24.6%対EU輸出:6億5,700万ドル
⇒対前年同期比:-23.1%/対前月比:-5.0%
Money1でも何度かご紹介しているとおり、韓国の自動車輸出はもはや北米頼みです。その対北米輸出はなんとか対前年同期比で「+1.0%」ですけれども、前月の2024年01月と比較して「-24.6%」と、ほぼ1/4減少しました。
対EUでは対前年同月比「-23.1%」、対中東※では「-30.0%」です。
※中東は意外と韓国自動車を買ってくれています。
つまり、韓国が誇ってきた電気自動車は勢いをなくしており、もはや北米が折れたら「おしまい」という状況が見えてきたのです。
(吉田ハンチング@dcp)