2024年05月07日に中国の国家外貨管理局は2024年04月時点での外貨準備を公表したのですが、対前月比で外汇储备(Foreign currency reserves)は「448.26億ドル」も減少しました。
金(Gold)やIMFのリザーブポジション(IMF reserve position)なども足し込んだ金額では、「385.44億ドル」の減少です。
中国共産党の英語版新聞『Global Times』が外貨準備高について記事を出していることです。
「China’s FX reserves decline within controllable range, underpinned by strong economic fundamentals: expert」(専門家:中国の外貨準備高は、強力な経済ファンダメンタルズに支えられ、制御可能な範囲内で減少している)
(前略)
『China Everbright Bank』(チャイナ・エバーブライト銀行)のマクロエコノミストであるZhou Maohua氏は、「04月の外貨準備高は、ドル高に足を引っ張られた部分もあったが、調整幅はコントロール可能な範囲内であり、全体としては3.2兆ドルを超える水準で安定している」と、火曜日のグローバル・タイムズ紙に語った。海外資産の先行きや世界の金融資産の価格変動が不透明であるにもかかわらず、中国の外貨準備の見通しはポジティブな要因が蓄積され、安定していると周氏は述べた。
彼女は、回復力のある経済が、今後数カ月間、3兆ドル以上の外貨準備高を支え続けるだろうと予測した。
対外貿易の堅調な実績と、利益を求める外国資本にとって魅力的な国であることが、支援要因となっている、と周氏は述べた。
(後略)
「御用新聞」ですから、『Global Times』は中国共産党にとって都合のいいことしか語りません。448.26億ドル減少しましたが、「調整幅はあくまでもコントロール可能な範囲内」だと述べています。
また「中国は投資家にとって魅力的な国」だそうです。
以下が「韓国ウォン」の例が出ていて面白い箇所です。
(前略)
主に米連邦準備制度理事会(FRB)の政策により、日本円、韓国ウォン、インドルピーを含む複数のアジア通貨が米ドルに対して下落し続けているため、一部の国は通貨安を補うためにドル保有高を削減せざるを得なかった。『ロイター通信』が火曜日に報じたところによると、韓国の04月の外貨準備高は、ウォン安を抑えるために中央銀行が介入したため、過去19カ月で最大の減少となった。
しかし、中国の力強い景気回復に支えられ、人民元は対米ドルで安定したレートを維持し、この1週間で一段高となり、中央銀行である『中国人民銀行』への介入圧力は緩和された。
(後略)
韓国当局は、ウォン安阻止のために「ドル売りウォン買い」を行ったために、外貨準備を19カ月ぶりの大幅減少となったとしています。
では、中国の外貨準備減少は同様のためではないのか?――と聞きたいところです。
「敵は不安にかられ、言わずもがなのことを口走る」とはよく言ったもので、「中央銀行である『中国人民銀行』への介入圧力は緩和された」と、うちはセーフだけどね……と述べています。
中国は「ドル高」を恐れているようです。先にご紹介したとおり、当局の定めたレートを守るのにドルを溶かさざるを得ず、「人民元」の切り下げ圧力となるからです。
(吉田ハンチング@dcp)