韓国のシンクタンク『FKI』(Federation of Korean Industriesの略:韓国経済研究院)が毎月公表している※1「BSI」(Business Survey Indexの略:企業景況判断指数)が驚くほど急落しました。
※1『韓国経済人協会』(旧『全国経済人連合会』)の公式サイトで公表されています。ちなみに『韓国銀行』もBSIを発表しています。
BSIは、企業に対し自社企業の業績や景気の状況、従業員数などの判断・見通しについてアンケートを実施して計算します。
普通、中立は「50」ですが、韓国ではなぜか「100」となっています。100より数値が上なら前月比で景気は上向き、下なら景気も下向き、と企業が判断していることになります。
以下をご覧ください。
09月(予測)が「92.9」に急落しました。韓国企業は09月の景気がこれまで以上に悪くなると見ています。
上掲はここまでの実績と予測の推移ですが、直近の2024年08月は実績「91.9」まで落ち込んでいます。
予測は「97.1」だったのですが、実績は「91.9」で予測から大きく外れたので来る09月にも期待が持てず、「92.9」に急落したものと思われます。
『FKI』のリポートで興味深いのは、「輸出が回復したといっているが、半導体を除けば微弱」という言及です。
実際、「半導体」と「半導体を除いた全輸出の対前年同期比」の、対前年同期比の増減率を比較してグラフにすると以下のようになるのです(金額ベース)。
上掲のとおり、半導体は対前年同期比で5割増しなど華々しい結果ですが、それ以外は「うーん」という結果です。「輸出が回復したといっているが、半導体を除けば微弱」という『FKI』の指摘にもうなずけます。
韓国政府は「輸出が回復してきた」と大本営発表を喧伝していますが、これは半導体一本足打法の結果であって、実は非常に危ういものなのです。
(吉田ハンチング@dcp)