『韓国銀行』のリリースにも見える「中国は駄目だろう」

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2024年10月11日、『韓国銀行』が「経済状況評価」をリリースしました。これは定例のものなのですが、この中に面白いデータ(グラフ)があります。

世界の経済動向について述べた部分がありまして、全般状況について『韓国銀行』は以下のように書いています。

世界経済は、アメリカ合衆国・連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)を中心に、グローバルな金利引き下げサイクルが本格化する中、緩やかな成長を続けると予想されているが、主要国の経済状況や地政学的リスクに関連する不確実性は高まっている。

――主要国のインフレが鈍化する傾向が続く中、09月にはカナダで25bp、ECB(欧州中央銀行)で25bpの金利引き下げが行われ、FRBも50bpの金利引き下げを実施した。

これにより、世界経済の成長が支えられると考えられる。

――各国ごとに見てみると、合衆国では堅調な成長を続けているが、今後は消費を中心に成長が緩やかに減速する見込みである。

ユーロ圏は、家計の実質所得の増加や金融引き締めの緩和によって回復基調を続けるものの、最近のドイツを中心とした製造業の縮小や政治的な不確実性を考慮すると、その回復速度は当初の予想よりもやや遅くなると予想されり。

中国では、堅調な輸出と低迷する内需という対照的な状況が続く中、中国政府による大規模な景気刺激策が成長の鈍化を緩和する役割を果たすと見られている。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』「経済状況評価(2024.10月)」

最近ではドイツがすってんてんになっていますが、それよりもご注目いただきたいのは、最後に述べられている中国です。

『韓国銀行』のこの部分には、以下のようなグラフが添えられているのです。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』「経済状況評価(2024.10月)」

これは駄目でしょ!」というグラフです。

『韓国銀行』が注目してグラフ化しているのは、

不動産投資
消費財の小売販売
輸出

ですので、つまりは――中国の経済成長を支えてきた3つの柱「不動産」「内需」「輸出」――です。さすがに李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が指揮しているだけあって、簡にして要を突いています。

輸出は一時的に回復しているように見えるものの、依然として安定しない状態が続いています。

特筆すべきは不動産投資の低迷ぶりで、前年比でマイナス成長が続いています(上掲のとおり対前年同期比でずっと「0」の下にあります)。

不動産市場は中国経済の大きな柱の一つであり、この低迷が続く限り、経済全体に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

加えて、消費財の小売販売もやや回復しているとはいえ、大きな変動を見せており、内需の弱さは明らかです。消費者の信頼感が低下し、購買力が伸び悩んでいるのが現れています。

全体的に見て、中国経済は不動産と消費の両方で課題を抱えており、先日財政部が「大丈夫だ」と言い張った景気刺激策が効果を上げるかどうか非常に注目されます。

韓国銀行がこうしたデータを公表しているのは、韓国経済が中国経済に依存しているため、中国経済の動向が韓国に及ぼす影響を慎重に見極める必要があるからです。

しかしながら、これは明らかに「駄目でしょ!」というグラフであって、『韓国銀行』も恐らく同様の感想を持っているはずです。

その上で「中国政府による大規模な景気刺激策が成長の鈍化を緩和する役割を果たすと見られている」と書いているのです。『韓国銀行』の皆さんはどうも「お人が悪い」ですね。

(吉田ハンチング@dcp)

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