1997年のアジア通貨危機の際、公表していたとおりの外貨準備がなかったことで、韓国はアメリカ合衆国・FRBの国際経済専門家(当時)チャールズ・シーグマンさんを「なぜないの?」と唖然とさせました※。
そのためか、韓国は外貨準備を積み上げることに熱心ですし、いざというときのためのセーフネットとして、各国と通貨スワップ協定を締結することに努力しています。
2020年03月05日、韓国銀行は「インドネシアとの通貨スワップ協定の更新を行った」との(インドネシアとの)共同プレスリリースを公表しました。
この協定更新により、インドネシアは最大115兆ルピア、韓国は最大107兆ウォンの自国通貨を融通し合うことが2020年03月06日以降も可能になりました。協定の有効期限は3年後の2023年03月05日です。
先の記事でご紹介したとおり、2020年は「マレーシア」「オーストラリア」「インドネシア」「中国」の4カ国と結んだ通貨スワップ協定が期限を迎える年。これまでマレーシア、オーストラリアと更新しており、今回のインドネシアも更新しましたので、これで残るは中国との協定だけです。
相手国 | 協定満了日 | 更新mission |
マレーシア | 2020年1月24日 | クリア! |
オーストラリア | 2020年2月7日 | クリア! |
インドネシア | 2020年3月5日 | クリア! |
中国 | 2020年10月10日 | - |
前回もすったもんだした「あの中国」が、今秋、韓国にどのような対応を見せるのかはけっこうな見物です。
これで、韓国が協定を結んでいる「国」と最大融通してもらえる額は以下のようになりました(CMIは除いています)。
相手国 | 最大融通額 |
スイス | 100億スイスフラン |
マレーシア | 150億マレーシアリンギット |
オーストラリア | 120億オーストラリアドル |
インドネシア | 115兆ルピア |
中国 | 3,600億元 |
カナダ | 金額設定なし |
ちなみに対オーストラリアの協定の更新では、最大融通枠が「100億オーストラリアドル」から「120億オーストラリアドル」に拡大されました。
以下は今回発表されたプレスリリースの内容になります。
Bank of Korea and Bank Indonesia signed a renewal of a bilateral local currency swap arrangement (BCSA). This arrangement was signed by the Governor of Bank of Korea, Juyeol Lee and the Governor of Bank Indonesia, Perry Warjiyo. The arrangement allows for the exchange of local currencies between the two central banks of up to KRW 10.7 trillion or IDR 115 trillion.
韓国銀行とインドネシア銀行は、二国間現地通貨スワップ協定(BCSA)の更新に署名した。この協定は、韓国銀行総裁リー・ジュヨルとインドネシア銀行総裁ペリー・ワルジヨによって署名された。この協定によって、2つの中央銀行間で最大10.7兆ウォンまたは115兆ルピアの現地通貨の交換が可能になる。
Similar to the previous agreement, the purpose of the BCSA is to promote bilateral trade and financial cooperation for economic development of the two countries. In particular, the arrangement will ensure the settlement of trade in local currency between the two countries even in times of financial stress and thus support regional financial stability. The effective period of the facility will be three years, from 6th March 2020 to 5th March 2023, which could be extended by mutual consent of both sides.
先の合意と同様に、BCSAの目的は、両国の経済発展のために二国間貿易と金融協力を促進することである。特に、この協定によって、財政的ストレスが発生した場合でも、両国間の現地通貨での決済が保証され、地域の財政の安定が支援される。協定内容の有効期間は、2020年3月6日から2023年3月5日までの3年間であり、双方の同意により延長できる。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』「Bank of Korea and Bank Indonesia Signed a Renewal of Bilateral Local Currency Swap Arrangement」
http://www.bok.or.kr/eng/bbs/E0000634/view.do?nttId=10056868&menuNo=400069⇒参照・引用元:『インドネシア銀行』「Bank of Korea and Bank Indonesia Signed a Renewal of Bilateral Local Currency Swap Arrangement」
https://www.bi.go.id/en/ruang-media/siaran-pers/Pages/sp_221720.aspx
※この顛末については以下の記事をご覧ください。
(柏ケミカル@dcp)