中国「映画館に人が来なくなってきた」観客0人上映が40%。

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中国は韓国よりもひどい「どん底景気」です。

国民にお金が回らないので消費が縮小する――という状態に陥っています。消費が縮小すると収入が減り、それがまた消費を縮小させるという負のスパイラルに陥ります。

中国共産党政府当局はいまだに「経済は緩やかに回復している」といっていますが、こんな与太話を信じている人はいません。

面白いことに映画の興行収入が落ち込んでいる――というデータが『灯塔专业版』から出ました。

中国には映画館が1万3,000館もあるのですが(過去最高)、以下が売上の推移になります。


↑データ出典:『灯塔专业版』

02月には160.9億元という突出した成績を出しています。これは『哪吒之魔童闹海』(『哪吒2』)が爆発的はヒットを記録したからです。


↑『哪吒之魔童闹海』のポスター。最前列中央が哪吒太子。

2025年上半期の総興行収入は292.31億元ですから、02月だけで上半期の55%を稼ぎました。

上半期の総興行収入292.31億元は対前期同期比で22.9%増。コロナ前の歴史的ピークに迫っています。ここまではいいのですが、上映1回当たりのお客さんの「入り」が失速しているのです。

以下をご覧ください。


↑データ出典:『灯塔专业版』

01月、02月は2024年よりお客さんの入りを増やしたのですが、02月以降は毎月2024年を下回る結果となっています。

さらに以下の「2025年『上映1回当たりの客数』分布」です。


↑データ出典:『灯塔专业版』

観客ゼロの空席上映率はなんと40%に達しています。

上記のとおり、映画館の数自体は増加しているのですが、お客さんの入りがそれに追いつかないという状況が広がっているのです。

また、夏休みの書き入れ時にむけてのプレシーズンとなる「06月」の結果が「19.1億元」にとどまているのも懸念される点です。これは10年ぶりの最低水準の数字なのです。

さらに「大作映画」についても興行収入の減少が顕著です。興行収入が1億元を超えた新作は23本に減少し、『哪吒之魔童闹海』1本で全体の52.8%の興行収入を占めています。

中小規模の映画の作品数は多かったものの、全体への貢献度は極めて低かったのです。

チケット価格は上昇しています。2025年上半期の全国平均価格(手数料込み)は45.6元(こちらは過去最高)。対前年同期比で「2.2元の値上げ」です。

一級都市では平均51.5元となっています。

この値上げが需要に歯止めをかけた面もあるでしょう。

中国の消費が減退する中、映画産業についても難しい状況にさしかかっているように見えます。

(吉田ハンチング@dcp)

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