トランプのおっちゃんが中東を訪問してサウジアラビアに火をつけたせいなのか※、イスラム主義組織ムスリム同胞団などのテロ集団に支援を与えているとして「カタールと断交だ!」となって、その動きに親サウジアラビア諸国、エジプト、UAE(アラブ首長国連邦)、バーレーンが同調しています。
サウジアラビアはイスラム教スンニ派の国で、シーア派のイランとは相容れません。カタールはイランと共同歩調を取るので、そもそもサウジアラビアはカタールを良く思っていなかったという歴史的背景もあります。
※……アメリカはイランと揉めてきたわけですが、前オバマ政権でその関係はずいぶん良くなりました。トランプのおっちゃんは05月の中東訪問で「イランとの関係は見直す」と告げたのではないか、と推測される向きもあります。
■原油価格はどうなる!?
問題はこの面倒くさい騒動が「原油価格」にどのような影響を与えるか、です。先物市場では、
●06月06日
・ブレント原油先物 1バレル:50.12ドル(終値)
前日終値から0.65ドル(1.3%)高
となりましたが、その後ドンと下がります。
●06月07日
・ブレント原油先物 1バレル:48.86ドル(終値)
前日終値から1.26ドル(2.5%)安
さらにちょい下げて、
●06月08日
・ブレント原油先物 1バレル:47.86ドル(終値)
前日終値から1.00ドル(2.0%)安
となり、09日には反発。
●06月09日
・ブレント原油先物 1バレル:48.24ドル(終値)
前日終値から0.38ドル(0.8%)高
で先週を終えました。
興味深いことに、あれだけ仲が悪かったサウジアラビアとロシアが歩み寄りを始めているという事実もあります。サウジアラビアは歴史的に親米国家なので、まあその経緯もあってロシアとはずっと仲良くなかったわけです。ロシアは原油価格にその経済を非常に依存した国ですから、産油国サウジアラビアとロシアの接近は原油価格に影響を与えるものと考えられます。
さて、今回の中東の小さな火種が大きくならないと良いのですが……。
(柏ケミカル@dcp)