韓国を襲う「四月危機」についてMoney1でも各企業の資金難、国策銀行の動向などをご紹介してきましたが、いよいよ04月末も近づき、正念場です。
韓国の危機は「流動性の危機」でお金が回らなくなるかも、という一点に集約されます。
ここにきて韓国政府は51年ぶりの「第三次補正予算」を編成し、企業を飛ばさないように(つまりは雇用が守られるように)大規模な資金を突っ込む覚悟をしたようです。
『TV CHOSUN』のニュース映像から文在寅大統領の言葉を以下に引用します。
「企業支援のために全ての可能な方法を総動員します。強力な意志を持って基幹産業を必ず守ります。
まず、航空と精油、造船業などのために資金40兆ウォンを造成し、小商工人のために既存の100兆ウォン(先に決定した「支援パッケージ」のこと:筆者注)とは別に、35兆ウォンの緊急融資などでサポートします。
雇用安定対策にも10兆ウォンを投入します。
フリーランス、特殊雇用労働者など雇用の死角地帯にある93万人に雇用安定助成金を最大150万ウォンまで支給して、大規模な雇用を作ることができるよう国策事業「韓国版ニューディール」などで雇用を50万個作るという計画です」
⇒参照・引用元:『TV CHOSUN』「基幹産業・雇用に85兆追加サポート… 51年ぶりに『3次補正予算』も」
기간산업·일자리에 85조 추가 지원…51년만에 '3차 추경'도기간산업·일자리에 85조 추가 지원…51년만에 '3차 추경'도
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
文大統領の並々ならぬ決意表明です。雇用を作る「韓国版ニューディール」とのこと。
確かに「85兆ウォン」は大きな予算でしょうが、恐らくこれでは足りません。
Money1でも先にご紹介しましたが、基幹産業たる「自動車業界」はそれだけで総額「33兆ウォン」の資金援助を要請しており、文大統領の発言にある「資金40兆ウォンを造成し」の段階で(他の業種に渡る資金も考えれば)無理であることが分かります。
もちろん「大統領は航空と精油、造船業など」とおっしゃっているので、この40兆ウォンには自動車産業を救うお金は入っていないのかもしれませんが。
いずれにいたしましても、04月の終わりも間近に迫り、いよいよ韓国経済は正念場を迎えたといえます。資金量からいっても全てを救うことはできません。どこかで取捨選択を迫られることになると思われます。
(柏ケミカル@dcp)