トルコが韓国との「通貨スワップ」を求めた? 日本を含め4カ国には求めた

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トルコ韓国に「通貨スワップ」の締結を求めたという報道が韓国メディアから出ています。

2020年04月20日の『中央日報(日本語版)』には「トルコ、新型コロナ対応のため外国中央銀行とスワップ協定交渉」という記事が出ていますが、ここには韓国の名前はありません。

トルコ国営アナドル通信によると、トルコ中央銀行のウイサル総裁は「我々は一部の国と各国の通貨を利用した貿易取引を支援するため、長期にわたりスワップ協定を維持している」とし「また(一部の国の)中央銀行と新しいスワップ協定を締結するための交渉を進めている」と明らかにしたと、ロイター通信が伝えた。

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「トルコ、新型コロナ対応のため外国中央銀行とスワップ協定交渉」

赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)

とあるだけです。

ところが2020年05月14日、韓国メディア『コリアヘラルド』に「[独占]トルコ、韓の通貨スワップSOS…コロナ19で経済難が深刻化」という記事が出ます。

この記事には以下のように書かれています。

「コロナ19 に急激な経済危機を経験しているトルコが韓国に通貨スワップを公式要請してきたことが確認された。

14日、関係省庁との外交筋によると、トルコの中央銀行は、先月中旬に在トルコ大使館を通じて韓国と通貨スワップ締結を望むという内容の書簡を韓国政府に伝えた

トルコの側の要請には、具体的な通貨スワップ規模や方式に関連した内容はなかった。

交渉事情に明るい外交消息筋は「コロナ19状況もあってトルコの経済状況が悪化し、韓国に事実上のSOSを要請した」とし「両国関係を勘案して通話スワップ締結の交渉を進めたい意思を改めて伝え、政府高位にも伝えられた」と語った。

これを受けて企画財政部韓国銀行は、内容を緊密に検討中だ。まだ議論の初期段階だけに、トルコ側とお互いの通貨構造を議論しながら通貨スワップを締結するかどうかを決定する予定である。

⇒参照・引用元:『コリアヘラルド』「[独占]トルコ、韓国に通貨スワップSOS…コロナ19で経済難が深刻化」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)

この記事で不思議なのは「なぜトルコは韓国を選ぶのだろう?」という点です。

で、2020年05月15日、今度は『Reuters(ロイター)』に「独占:トルコはリラショックに対抗するために世界的な資金援助を求める」という記事が出ました。

この記事では以下のようになっています。

(前略)
(トルコの:筆者注)財務省と中央銀行の当局者は、最近、日本英国をカウンターパートに通貨スワップライン(原文:currency swap lines)の設置について、カタール中国と既存のファシリティーの拡張について二国間協議を行った、と当局者は述べた

AK党の外交担当副議長であるCevdet Yilmaz氏は木曜日、トルコがスワップ協定を模索していることを確認した。

スワップの機会について、さまざまな中央銀行と交渉しています」と彼はパネルディスカッションに語り、「それはアメリカ合衆国だけではなく、他の国もある」と付け加えた。

詳細は明かされなかった。

(中略)

トルコの財務省、日本の財務省イングランド銀行はコメントを避けた。

中国人民銀行はFAXでのコメント要請に応じなかった。カタールの政府メディア局は、アンカラとの交換を拡大することについての質問に応じませんでした。
(後略)

⇒参照・引用元:『Reuters』「独占:トルコはリラショックに対抗するために世界的な資金援助を求める」(原文・英語/筆者(バカ)意訳)

『Reuters』の記事内には韓国は全く登場しません

トルコの外貨準備は急減しており(400億ドルから260億ドルになっている)、危機的状況に陥っていることは確かです。アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)とドル流動性スワップを結べるのが一番良いのですが、トルコ政府が模索してはいるものの合衆国は求めに応じていません。

前記のとおり、「トルコが韓国とのスワップラインを要請」という韓国メディアの報道を見ても、経済の危機的状況で韓国のウォンのようなローカルカレンシーとスワップラインを結んでどうするんだろう、と不思議に思われるのではないでしょうか?

それはトルコ政府も百も承知のはず。

仮に『コリアヘラルド』の報道が正しく、韓国にスワップライン締結の要請があったとしても、それは『Reuters』の記事にあるように、合衆国日本イギリス中国カタール(通貨は「カタール・リヤル」)の後で行われたに違いありません。

韓国の通貨は韓国以外では使えませんから。トルコは「もうなんでもいいから外貨を調達しなくちゃ!」という状況なのでしょう。

※1
トルコが求めているのはFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)がいうところの「ドル流動性スワップ」に類似する仕組みかと思われます。事実、トルコはアメリカ合衆国FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)との間でドル流動性スワップを締結できるよう動いてきました。

(柏ケミカル@dcp)

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