2020年05月21日、韓国の中央銀行である『韓国銀行』から「International Investment Position(End of Mar 2020)」(対外資産負債残高 2020年03月末時点)というプレスリリースが出ました。
これは、外国との投資・融資の取り引きについてを記録した「賃借対照表」です。外国に資産をいくら持っているか、負債はいくらあるかが明らかになります(下掲はリリースの一部)。
たぶん好事家であれば、「これだけで飯が三杯いける」とおっしゃるでしょう。
で、2020年の第1四半期の結果なのですが、トピックはなんといっても対外債務の急拡大です。対外債務というのは、簡単にいえば「外国からの借金」です。
プレスリリースでは以下のように書いています。
Korea’s external debt was $485.8 billion, up $18.8 billion over the quarter.Short-term external debt had increased by $14.0 billion, and long-term external debt had increased by $4.8 billion.
The short-term external debt ratio (vis-à-vis reserve assets) was 37.1%.
韓国の対外債務は4,858億ドルで、前の第4四半期より188億ドル増加しました。
短期の対外債務は140億ドル増加し、長期の対外債務は48億ドル増加しました。
短期対外負債比率(準備資産に対する)は37.1%でした。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』「対外資産負債残高(2020年03月末)」(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
なんと2020年の第1四半期だけで「188億ドル」も増えたのです。さらっと「up $18.8 billion over the quarter」なんて書いてありますが、日本円にして約2兆円です(レート2020年05月22日の「1ドル=107.58円」)。
しかも、そのうち短期対外債務が「140億ドル」(74.4%)増加。短期債務は返済期限が1年未満、長期債務は1年以上と分けますので、この140億ドルは1年未満で要返却なのです。
以下は『TRADING ECONOMICS』から引いた韓国の対外債務の推移です。
⇒参照・引用元:『TRADING ECONOMICS』「South Korea Total Gross External Debt」
残念ながら2020年01月までしかありませんが、急速に借金が増加しているのがお分かりいただけるでしょうか。
上掲グラフの01月で「4,669.8億ドル」でしたが、今回の発表によると03月末時点で「4,858億ドル」。ですので、上のグラフでいえば縦軸の天井を突き破ったわけです。
上掲のグラフは2017年01月から始まっていますが、文在寅さんが韓国の大統領に就任したのは2017年05月10日です。
文在寅大統領は、冗談抜きで本当に「借金王」として後世に名を残すのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)