先にお伝えした、『大韓航空』の保有する土地をソウル市が勝手に「公園にする」と開発計画をぶち上げた件で続報が出ました。
結論からいえば、ソウル市はさらに「なめた態度」に出ています。
ここまでの経緯は以下のようなものでした。
①『大韓航空』は、ソウル市の鍾路区ソンヒョンドンに敷地面積「3万7,000平方メートル」の広大な空き地を所有している。
②『大韓航空』はこれを「5,000億ウォン」で売却して資金繰りに充てたい。
ところが、ソウル市が勝手にこの空き地を公園に整備する計画を公表します。
③当然『大韓航空』は「ふざけるな!オレの土地だぞ」とカンカン。
④「じゃあ、その土地買おうじゃないの」とソウル市が相談を持ちかける。
⑤「5,000億ウォンだよ」と『大韓航空』が答える。
⑥「2,000億ウォン(台)で買うよ。それでいいだろ」とソウル市が言う。
⑦『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
新型コロナウイルス騒動で倒産寸前な『大韓航空』としては、この土地をできるだけ高く、できるだけ早く売って、得たお金を資金繰りに充てたいのです。
ところが、①-⑦が報道に出て、財界からの非難を浴びたソウル市は、以下のような態度に出ました。
⑧「ちぇっ。じゃあ公示価格に補償倍率をかけて、4,666億9,300万ウォンで買うよ。あ、建物があるからそれの補償費の4億4,000万ウォンも付けよう。計4,671億3,300万ウォンで買おうじゃないの」とソウル市が言う。
しかし、これでも『大韓航空』の希望金額とは離れています。以下のように続くのです。
⑨「ふざけんな、時価より安いだろうが!」と『大韓航空』が怒る。
⑩「で、まず契約金として10%を来年支払って、残りは2022年に支払うよ」とソウル市が言う。
⑪絶句した『大韓航空』が真っ赤になって怒る。
――というわけで、『大韓航空』が今すぐにお金が要るというのに、ソウル市はこの期に及んで、
・時価よりねぎって買おうとしている
・支払いを遅延させる(2021年に10%、2022年に90%)
という「なめた態度」に出ているのです。
まさに「人が困ってるときに足元見やがって……」です。
ソウル市がこのような強圧的な態度を取っているのは、「開発許可権」を握っているからだと推測されています。
この件を報道した『朝鮮日報』の2020年06月06日の記事から一部を引用します。
ソウル市の一方的な公園化推進は、民間企業の私有地売却を妨害する行為との批判が絶えない。
財界関係者は「この地所に興味がある企業や機関は多い。時価よりも高い価格で売ることもできるだろうが、開発許可権を持つソウル市が公園を造ると公表した状況で、購入希望者が気軽に乗り出すことは難しいだろう」と述べた。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「大韓航空地所としながら…ソウル市『お金は2022年までに支給』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
――というわけで、ソウル市と『大韓航空』の戦いは続いています。
文在寅大統領は、『大韓航空』を救おうと支援の手を差し伸べているのですが、その企業の資金繰り改善をソウル市が邪魔しているのです。
新型コロナウイルス騒動から復活しようと努力している企業の足を引っ張る「地方自治体のお役所根性」「お上意識」が露呈しています。
(柏ケミカル@dcp)