すでに旧聞に属しますが、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』に「緊張が高まる中、中国は米国債の保有を削減する可能性が高い」(Amid rising tensions, China likely to reduce US debt holdings)という記事が出ました。
専門家らによると、アメリカ合衆国連邦政府の赤字が拡大してデフォルトのリスクを増大させ、またトランプ政権が中国への猛烈な攻撃を続けているため、中国は米国債の保有を現在の1兆ドル超から約8,000億ドルに削減する可能性があります。
(中略)
「中国はこの状況下では米国債の保有を徐々に約8,000億ドルに減少させるでしょう。しかし、軍事紛争のような極端なケースになれば米国債を全て売却するかもしれません」上海大学のXi Junyang教授はグローバルタイムズに語った。
(後略)⇒参照・引用元:『Global Times』「Amid rising tensions, China likely to reduce US debt holdings」(原文・英語/筆者(バカ)意訳)
「アメリカ合衆国が中国に対する圧迫をやめないので、このままでは米国債を20%を売るぞ。全部売ることがあるかもしれない」という記事です。
中国は現時点で合衆国公債をざっくり1兆ドル保有していますから、20%というと「2,000億ドル」になります。
↑合衆国財務省が公表した「合衆国公債の主要者保有者と保有額」についてのデータから、中国の保有額をグラフ化したもの(直近1年)。2020年07月末時点での保有額は「1兆734億ドル」
この記事は各種メディアでも取り上げられ、中国の脅しとして紹介されています。
確かに恫喝(どうかつ)もあるでしょうが、すれっからしの投機者である筆者などは、
すでに決まっているのだ。
と邪推します。
このような報道が出ていれば、「ほら、言ったとおりに米国債を売ってやったぞ」とメンツを立てることができますから。本当はドルがないから、なのですが。もちろん一気に全部売ることはできません。
ですので、中国の米国債保有額は、まず1兆ドルを切るところまで進行していくと思われるのですが……。
さて、読者の皆さんはどう思われるでしょうか。
(松田ステンレス@dcp)