アメリカ合衆国と中国の対立が激しくなっており、中国の掲げる「一つの中国」政策についての疑念と反感が高まっています。合衆国議会では台湾と正式な国交を結ぶべきという声が上がるぐらいですので、中国の焦りは相当なものに違いありません。
そんな中国の焦りを証明するような記事が、中国共産党の提灯持ちメディア『人民日報』に上がりました。
記事自体は、アフリカのマラウイ共和国のムカカ外務大臣が、欧州歴訪でヒドイ目に遭った中国の王毅外相と電話会談を行った――というだけなのですが、その中に「マラウイはエライ!」という話が出てくるのです。
エライ理由は「一つの中国の原則を守っているから」です。
王毅は、中国がマラウイが台湾問題へのコミットメントを一貫して履行していることを高く評価し、マラウイが引き続き一つの中国の原則を順守し、具体的な行動で両岸関係の平和的発展と中国の平和的統一を支持すると信じている、と述べた
⇒参照・引用元:『人民日報』「マラウイの外務大臣は、一つの中国の原則について話しました:主権と領土保全の尊重は国際関係の基本的な規範」(原文・中国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
王毅は、マラウイが台湾問題に関するコミットメントを常に堅実に履行してきたことを高く評価しており、今後も一つの中国の原則を守り、具体的な行動で両岸関係の平和的発展と中国の平和的統一の大義を支持すると考えている、と述べた。
マラウイの人からすれば台湾(中国も)など地の果て地のような感じに違いありません。中国共産党から台湾への態度についてほめられてもピンとこなかったでしょう。
しかし、王毅外相(そして『人民日報』)からすれば中国の唱える「一つの中国」原則を守ってくれる国があることが大事なのです。それは理解できるにしても、同紙もこのような記事を上げることはないでしょう。返って中国の焦りが透けて見えるではないですか。
(柏ケミカル@dcp)