先にご紹介したことのある韓国『鉱物資源公社』の話です。韓国では李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代に、海外での資源開発にまい進しましたが、ハズレを引くことがほとんどでした。
莫大な債務超過のため資産は全て売却する!
これまで投入したお金が負債として積み上がり、また買収した鉱山などの維持費が巨額であることから(ペイしないでも保有しているので)『鉱物資源公社』は莫大な赤字となっております。
とっくに債務超過に陥り、資本量「-3兆3,650億7,700万ウォン」(約-3,298億円)、負債「6兆6,516億7,200万ウォン」(約6,519億円)という凄まじい貸借対照表です※。
で、韓国政府は保有資産を全て売却するという決定をしており、チリ・サントドミンゴの銅鉱山をカナダ『Capstone Mining Corp.(キャップストーン・マイニング)』に売却しました。
↑サントドミンゴ銅鉱山の場所(『Capstone Mining Corp』公式サイトより引用)
売却金額が明らかになったのですが、
(うち3,400万ドルで『鉱物資源公社』の債務を肩代わり)
で保有していた権益30%を譲渡したとのこと。
これまで同公社が投入した資金は10年間で2億5,000万ドル(約274億円)。これまでに発生した利息払い(資金を借りて投入したので)を考慮するとほぼ半額で売却したことになります。
読者の皆さまもご存じのとおり、現在、鉱物資源の価格は高騰しています。そのため、例によって韓国メディアでは「政府の判断が拙速に過ぎたのではないか」という声が上がっています。
惜しい気持ちは分からないでもありませんが、事実上デフォルトしている公社なので損切りして、少しでも国庫の負担を軽減するしかないのです。
※仕方がないので、韓国政府は『鉱物資源公社』と『鉱害管理公団』を合併させることにしました。詳細は以下の記事を参照ください。
(松田ステンレス@dcp)