韓国では家計負債の急増が問題になっています。先にご紹介したとおり、2003年の統計開始以来で最大の「1,726.1兆ウォン」(約167兆4,317億円)に達しており、その金額もさることながら、増加速度が尋常ではありません。
コロナ禍の中、家計負債は急騰し、金融当局としてはこれ以上の負債増は避けたいところです。
死神と恐れられる『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)、ラスボス『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)はもちろん、『韓国銀行』も韓国の家計負債には警告を発しています。
ちなみに、韓国の家計負債の対GDP比率はとっくに日本を抜いております。
韓国:97.9%
日本:57.2%
アメリカ合衆国:75.6%
イギリス:84.4%
※2020年第1四半期末時点
韓国メディアでは、時に日本を「借金大国」などと揶揄しますが、こと家計負債に関しては、韓国の方がはるかに借金大国なのです。
で、これまた先にご紹介しましたが、2020年末から韓国の金融機関は個人に対する融資を絞り始めました。
2021年04月12日、『韓国銀行』が公表した「金融機関の融資態度サーベイ結果(2021年第1四半期の動向と2四半期の見通し)」によると、金融機関の「融資態度」は、2021年第2四半期もさらに厳しいものになるとのこと。
面白いのは「顧客別ローン姿勢指数」というINDEXを用いており、
中小企業:6
家計の住宅部門:-18
家計の一般部門:-9
という結果になっています。指数がマイナスになると、融資態度を厳しくする金融関係者が多いことを示しています。
つまり、中小企業以外への融資は厳しくなっており、特に住宅関連融資は通すことが難しいというわけです。これは、コロナ禍の中、不動産価格が急騰した韓国の状況を反映したものと見ることができます。一般部門への融資も「-9」ですから家計への融資は相当絞られると考えねばなりません。
まだ、コロナ禍を抜け切ったわけではないので、家計の資金需要は高く、お金の供給を絞るタイミングなのか、という疑問はあります。このような措置がどのような影響を与えるのか、注視する必要がありそうです。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「金融機関の融資態度サーベイ結果(2021年第1四半期の動向と2四半期の見通し)」
(吉田ハンチング@dcp)