2021年05月04日、韓国の統計庁が「2021年4月の消費者物価動向」を公表しましたが、これが非常に興味深い結果となっています。
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』「2021年4月の消費者物価動向」
上掲のリポートを基に韓国メディア『韓国経済』では「尋常ではないインフレの兆し」と書くほどです。
注目されているのは以下の数字です。
・農産物と石油類を除いた物価指数:1.4%上昇
・食料品を除いた物価指数:1.1%上昇
・生活物価指数:2.8%上昇
・生鮮食料品の物価指数:14.6%上昇
※前年同期比
消費者物価指数が「2.3%」と大きく上昇していますが、以下をご覧ください。
上掲のグラフは同リポートから引用したものですが、太い線が「消費者物価指数の前年同月比の推移」を「示しています。
「2.3%」の上昇に匹敵するのは2017年までさかのぼらないと見当たりません。
実はここがみそで、先にご紹介したとおり、韓国の直近の景気の山(景気のサイクルの中で最も景気が良かったポイント)は2017年09月です。つまり、景気が良くて消費活動も活況で、これなら物価が上がっても別にいいのです。
しかし、2020年のコロナ禍でドボン寸前までいき、失業率も最大で回復もしていない現在、消費者物価指数がこれほど上がってどうするんだ――という話なのです。
もちろん、前年同月比ですからあくまでも昨年のコロナ禍の最中と比較してという点は見逃してはなりません。しかし、政府が巨額の流動性を提供しているのでこのインフレはさらに進行する可能性があります。
お金じゃぶじゃぶ状態を意図的に作ってきたので、相対的に物の価値が上がるのはいたしかたありません。しかし、ここまでの上昇は政府も想定していなかったのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)