中国の製造業に影響を与える件なのでご紹介します。
中国南部の省で電力不足が深刻になっており、それが他の州にも広がっているという報道が出ています。まず『阿波罗新闻』の記事から一部を引用します。
(前略)
『南方电网』(中国南方電網)の情報によると、広東省、特に広東・香港・マカオのグレーターベイエリアの電力需要は05月から27.5%近く急増しており、広東省の一部の発電所では24時間体制で発電を行っているにもかかわらず、供給が需要に追いついていない状況だ。
(後略)⇒参照・引用元:『阿波罗新闻』「中国の電力不足は南部の5つの州から中国北部、中国中部、外モンゴルに拡大し、企業は17年前の電力不足の悪夢の再発を懸念」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
特に電力不足が深刻になっているのは次の省と伝えられています。
山東省
内モンゴル自治区・西部
湖南省
湖北省
江西省
広東省
雲南省
広西チワン族自治区
なぜ電力が足りなくなる?
この電力不足の原因には、まず水力発電所の供給力低下が挙げられます。例えば雲南省の水力発電所は気温上昇と水不足が続いたため電力供給量が約30%下落しています。長江の例のダムがまた危ないといった話がありますので水量は足りているのかと思いきや、そうでもないようなのです。
「それはちょっと違うのではないのか?」という話もあって……電力供給量が小さくなっている理由として、「火力発電所の発電意欲が減退したから」を挙げています。以下に同記事から引用します。
(前略)
石炭の価格が2倍以上に急上昇し、過去最高を記録した。一部の発電所では、石炭を燃やせば燃やすほど赤字になるので発電意欲が減退している。
(後略)
この書きようですと、「赤字になるから発電を遠慮している」みたいに取れます。
台山原子力発電所は止めるに止められない?
先に、放射線漏洩疑惑のある台山原子力発電所が現在も稼働中という件をご紹介しましたが、この原発はマカオから直線距離でわずか60kmという距離にあり、まさにグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)にあります。
電力事情がひっ迫しており、止めるに止められないのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)