通過しない「つなぎ予算」 上院で「9票」要るんだってば!

連邦政府機関の閉鎖が続くと株式市場に嫌な影響がありますので、この問題をひつこく取り上げている訳ですが、ついにトランプ大統領は「国家非常事態を宣言」し、「非常権限を行使する」ことについても言及しました。いささか記者からの煽りに乗った感もありますが、反対姿勢を崩していない民主党に対してはかなりの脅しになったものと思われます。

「お前たちがどんなに反対しようがオレはやる」という姿勢を見せたわけです。たとえブラフだったとしても、民主党はどう対応するか考えなければなりません。

連邦政府機関の閉鎖を回避するための「つなぎ予算案」が問題

日本人には大変分かりにくいのですが、Money1で「Gephardt Rule」(ゲッパート・ルール)をご紹介したときに説明したとおり、このような連邦機関の閉鎖がしばしば起こるのはアメリカ合衆国のヘンな「予算-資金付け」プロセスのせいです。

1.予算可決(承認)
2.資金付け(借金限度額を超えて借金をしないと資金がない場合は、債務上限(借金の限度額)を拡大することへの承認が必要)

という2段階の承認プロセスがあって、予算で認められている案件でもいざ資金を承認という段になって「やめさせたい」という政治的思惑で資金付けが認められない(借金の上限を超えるから駄目という名目で実施が不可能になる)ことがあるのです。

現在、合衆国で連邦機関の一部閉鎖が起こっているのは、このような二段階の承認プロセスがあるためです。連邦政府機関を運営するための「つなぎ予算案」の中に「メキシコとの国境に壁を建設するための予算約57億ドル」が入っていて、民主党はこれを潰したいので「2」のプロセスで賛成していません。

ただし、この「つなぎ予算案」は、

●12月20日 下院で可決

しているのです。「217185」という結果でした。

問題なのは上院で、このつなぎ予算案が承認されるためには「60票」が必要です。共和党は上院で過半数は占めていますが、その議席数は「51」。上院は定数「100」ですので、共和党上院議員の全員が賛成したとしても、共和党議員の「9票」が必要になります。

この9票が取れないため「つなぎ予算案」が通過せず、現在まで連邦機関の一部閉鎖が継続しているのです。

トランプ大統領は以下のようなtweetを行っています。

The Democrats want Billions of Dollars for Foreign Aid, but they don’t want to spend a small fraction of that number on properly securing our Border. Figure that one out!

民主党は外国の支援に何十億ドルも費やしたいと考えるくせに、その何分の一かで済む私たちの適切で安全な「壁」に対してお金を使いたいとは思わないのだ。明らかなことじゃないか!

⇒引用元:『Donald J.Trump』Twitter 2019年01月05日-07:54
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1081579754191552514

このtweet後、先に紹介したとおりペロシ議員などど会談を行いましたが解決のメドは立っていません。

(柏ケミカル@dcp)