ほら言ったとおりでしょ、という話です。小ネタかもしれませんがご紹介します。
こないだ無償減資と有償増資のコンボを決めたはずだったのに、もう韓国『済州(チェジュ)航空』がキャッシュショートの懸念と見えます。
2021年12月09日、あの『基幹産業安定基金』が『済州航空』に追加の資金援助1,500億ウォン(約144億円)を行うことになった――という報道が出ました。
『済州航空』は韓国のLCC(格安航空会社)の中では最大手で、株式も上場しています。
ただし、コロナ禍の前からその業績は傾いており、コロナ禍によって決定的に悪化。赤字続きで債務超過状態までいきました。財務諸表をよくするために無償減資、有償増資のコンボを決めたのですが、そもそも旅客が減少していますので赤字をどこまで続けることができるか状態に陥っているのです。
もうキャッシュショートの懸念が出たと見え、文在寅大統領が「韓国の基幹産業を救う!」などとぶち上げたくせにお金をちっとも集めなかった『基幹産業安定基金』に支援を要請したというわけです。
『済州航空』は全くというほど役に立たなかった『基幹産業安定基金』からすでに321億ウォン※の支援を受けています。今回の支援は第2回目の資金投入です。
今回は「1,500億ウォン」と前回の約5倍の資金量ですが、内訳は「運営資金の融資:1,200億ウォン」(約115億円)と「300億ウォンの永久転換社債(の引き受け)」(約29億円)となっています。
転換社債というのは株式に転換することができる社債です。つまり、『基幹産業安定基金』は『済州航空』の(将来的には)株主になることができるわけです。しかも前に「永久」がついていますので、発行体が存続し続ける限り永久に利払いを受けることができます。
無償減資と有償増資を決めた後、今回の融資を受けてキャッシュを入手したわけですが、「これで大丈夫」などではありません。どこまで耐えられるのか、なのです。
『済州航空』はじめ韓国のLCCの危ない飛行は続いています。
※一度目の資金投入は、運営資金の貸し付け「257億ウォン」と永久転換社債「64億ウォン」の計321億ウォンでした。
(吉田ハンチング@dcp)