韓国が2021年12月、2022年01月と2カ月連続で貿易赤字となり危機感が募っています(ただし通関ベース)。この2カ月連続貿易収支赤字は、2008年以来、14年ぶりのこと。
2008-2009年の韓国通貨危機の際に記録して以来です。
韓国の貿易収支(輸出 – 輸入)
2021年12月:-4億5,200万ドル
2022年01月:-48億8,900万ドル
2021年12月:-4億5,200万ドル
2022年01月:-48億8,900万ドル
※関税庁・産業通商資源部の公表データによる
貿易収支の黒字が外貨を積んでいく元になるので、赤字になると外貨の流失が続き韓国経済にとって大きな打撃になります。
韓国が貿易赤字に陥っているのは、主に資源価格、特にエネルギー価格の急騰によりますが、この傾向は現在も止まっていません。以下はWTI原油先物の日足チャートです(チャートは『Investing.com』より引用)。
1バレル90ドルを突破しています。90ドルを超えたのは2014年10月以来初のこと。
石油だけでなく、LNG、石炭の値上がりも尋常ではありません。
2021年01月 ⇒ 2022年01月
原油:54.85ドル ⇒ 83.22ドル
LNG:8.17ドル ⇒ 35.87ドル
石炭:86.2ドル ⇒ 218.8ドル
原油:54.85ドル ⇒ 83.22ドル
LNG:8.17ドル ⇒ 35.87ドル
石炭:86.2ドル ⇒ 218.8ドル
※石油は1バレル当たり(ドバイ)、LNGは1MMbtu当たり、石炭は1トン当たり
このような状況が変わらないのであれば、02月の貿易収支も危ないと見なければなりません。
韓国の「原油・LNG・石炭の合計輸入金額」を比較すると以下のようになるのです。
2021年01月 ⇒ 2022年01月
90億6,000万ドル ⇒ 159億5,000万ドル
90億6,000万ドル ⇒ 159億5,000万ドル
金額は「1.76倍」に膨らんでいます。
韓国政府、また『韓国銀行』は輸入金額の増加による貿易収支の減少、赤字はあくまでも一時的なものと強調していますが、それで済むかどうかは予断を許さない状況です。
まずいことに資源輸出大国ロシアがウクライナと緊張を高めていますし。原油価格は1バレル当たり100ドルを超えるのではないか、という観測が出ております。
(吉田ハンチング@dcp)