無法なウクライナ侵攻を行い、自由主義陣営国から経済制裁を受けているロシア。当然の報いです。
しかし、ロシア政府よりも、ロシア企業の方が先にデフォルト認定されました。
デフォルト認定されたのは『ロシア鉄道公開株式会社(Russian Railways)』。これはロシアの国営企業です。
『Reuters(ロイター)』『Bloomberg』など外信は、『ISDA』(International Swaps And Derivatives Associationの略:国際スワップ・デリバティブ協会)のEMEA(欧州・中東・アフリカ)部門の委員会によれば、2億5,000万スイスフランの債券利払いが猶予期間内に行われず、これによって信用事由発生と認定された」と報じています。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のクレジットイベント発生です。
何度もご紹介しているとおり、CDSは保険のようなもの。クレジットイベント(信用事由)発生ということは、CDSの売り手が保証を行わなければならなくなったことを意味しており、つまり「デフォルト」です。
ただ、この債務不履行(今回は利払いできなかった)の発生は、入金したのに制裁のせいで着金しなかった――と『ロシア鉄道公開株式会社』側は主張。
「こんなのでデフォルトとされるのは理不尽だ」という不満の意思表明でしょう。
ちなみに経済制裁後初のロシア企業のデフォルト発生です。
『ロシア鉄道公開株式会社』はデフォルト第1号となりました。これからもロシア企業のデフォルト認定は続くものと思われます。
テクニカル・デフォルトなロシア政府が「デフォルト」と認定されないのは、CDSの売り手がお金を支払いたくないからじゃねえのか――そんな気がするようなしないような……さあどうなのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)