韓国の自画像は「IMF危機」を契機に「何をやらせてもだめな韓国人」から「世界で最も優秀な民族」に一変した

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文在寅前大統領は「韓国は後進国から先進国になった」と喧伝に努めていました。今では韓国、韓国人の優秀性を誇る方々が多くいらっしゃいます。

何がこの自信のきっかけになったのか、について鈴置高史先生が非常に興味深いことを述べていらっしゃいます。鈴置先生の著作から一部を以下に引きます。

韓国人の自画像が突然美しく立派なものに変わったのは1997年の経済危機を乗り越えることに成功したからだ。

同年春に始まったアジア通貨危機の中で、韓国も外貨建て債務の返済が困難になり「国の倒産」の危機に瀕した。

そこで、やむなくIMFからドルを借りてしのいだ。

このため、経済政策はすべてIMFの管理下に置かれた。

韓国人は日本の植民地に転落した屈辱になぞらえ「第2の国恥」と呼んだ。

高金利などの超緊縮政策により企業倒産が多発、失業率も急上昇した。だが、荒療治のおかげで2001年8月にはIMFにドルを全額返済、韓国はいち早く窮地を脱した。

すると「何をやらせてもだめな韓国人」という自画像が「世界で最も優秀な民族」に一変した。
(後略)

⇒参照・引用元:『米韓同盟消滅』著:鈴置高史,新潮社,2018年10月20日 発行,p.122

強調文字は本記事筆者による

調べれば調べるほど、1997年のアジア通貨危機時がいかに韓国、また韓国人に大きな影響を与えたのかが分かります。

『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の管理下に置かれたことは、日本による朝鮮併合に匹敵するほどの屈辱だったのです。

しかし、これを乗り越えたことで韓国の皆さんが思い描く自画像は、「何をやらせてもだめな韓国人」から「世界で最も優秀な民族」に変わった――というのです。

極端な変わりようですが、それだけ韓国の皆さんにとって『IMF』ショックは大きなものだったのでしょう。今でも韓国メディアがしばしば『IMF』を死神と呼ぶのは、まだ当時の思いを引きずっている証拠ともいえます。

簿外債務に海外からの野放図な借り入れ

『IMF』の管理下に置かれたのは、しかし韓国が野放図に対外債務を増やしたために他なりません。全くの自業自得なのです。

1990年には「332億ドル」しかなかったのに、1995年末には「1,271億ドル」に到達。1997年11月時点で対外債務は「1,602億ドル」に達しました。

やみくもに対外債務が膨れ上がった原因は、韓国企業が外国から借り入れた資金が急増したことが大きな原因です。1997年にドボン騒動が起こるまで、韓国企業は、タコ足に系列会社を増やし、いわゆる飛ばしを行っていました。

韓国内の決算では健全に見えるのですが(といっても『IMF』が改革させるまで連結決算・外部監査義務などはありませんでした)簿外債務を抱えており、フタを開けてみるとひどい財務状況だったのです。

これが「漢江の奇跡」の実情で、先にご紹介したとおり巨額の借金ドライブだったのです。

池東旭先生の著作から引くと、

非公式な集計によれば、韓国の対外債務は97年11月時点2,275億ドルで、うち簿外域外債務は1,078億ドルに達する。

内訳は金融機関の海外支店借入678億ドル、企業の現地金融が400億ドルだ。

⇒参照・引用元:『韓国財閥の興亡 癒着と相克のドラマ』著:池東旭,時事通信社,2002年02月05日発行,p.178

読みやすいように漢数字をアラビア数字に直しました。

となります。これまで借金ドライブで好き勝手やってきた韓国企業が壁にぶち当たったのがアジア通貨危機だったのです。

しかし、これを克服したことで「世界で最も優秀な民族」と意識するようになったのであれば、『IMF』危機は韓国にとっては良かったのかもしれません。

ことほどさように、アジア通貨危機――韓国では『IMF』危機などと呼ばれます――は、現在でも韓国に大きな爪痕を残しているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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