韓国の完成自動車メーカーは脱中国を目論んでいます。
中国市場を失いつつある韓国企業
Money1では何度もご紹介していますが、韓国の自動車産業は弱体化を続けています。特に中国市場を失いつつあり、例えば韓国を代表する『現代自動車』はすでに2021年時点で以下のような惨状となっています。
上掲のとおり、『現代自動車』の中国市場におけるシェアは2021年時点ですでに「1.8%」しかありません。
2022年にはさらにシェアは低下すると見られていますので、スマホと同じようにシェア1%未満まで墜落するのは時間の問題と考えられます。
『現代自動車』が日本に再進出を図っているのはまさにこのためで、世界第3位の自動車市場・日本でなんとしてでもシェアを獲得しなければ弱体化がさらに速度を増すのです。
『現代自動車』にとってついてないことに、ロシアが無法にウクライナに侵攻したため、ロシア市場が望めなくなりました。
実は『現代自動車』はロシア市場でかなり頑張っていたのですが、これがまるっと消滅したのです※。
※戦争開始初期段階では、ロシア『タス通信』によると『現代自動車』のロシア工場はまだ稼働しているという報道があったのですが、以降音沙汰がありません。
韓国自動車企業の脱中国は加速する
中国では中国産の電気自動車が売れるようになっていますので、この点においても韓国企業は勝ち目がありません。
――という具合ですので、韓国の自動車企業は中国に製造拠点を置いていてもあまりメリットがないことになっています。そのため、これから脱中国の動きが激しくなるものと見られるのです。
金融監督院の『DART』に公示されたデータによると、『現代自動車』は以下のような雇用人数となっています。
雇用人数(2021年末時点)
韓国内:7万2,496人
海外:5万325人
このうち、北米地域において「2020年末 ⇒ 2021年末」では「1万304人 ⇒ 1万5,953人」とほぼ1.5倍に増加しています。
ところが、海外全体では「4万9,383人 ⇒ 5万325人」と微増にとどまっているのです。
これは『現代自動車』のグローバル戦略が北米重視に傾いていることを意味します。実際、2022年04月には、『現代自動車』はアメリカ合衆国・アラバマ州のモンゴメリー工場の電気自動車生産ラインの増設に3億ドルを突っ込むと公表しています。
つまり、勝てそうなところで勝つしかない、というわけです。合衆国市場はまだしも『現代自動車』のブランドに価値が認められていますので無理はありません。
『現代自動車』はまだ中国に持つ工場を全部閉めたわけではありませんが、恐らく時間の問題ではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)