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米国「中国製のソフト・ハードは禁止だ!」韓国自動車も窮地に陥る可能性アリ

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中国製の電気自動車に対する関税を100%オンするという決定を行ったアメリカ合衆国。これだけでは十分でないということで、『Reuters(ロイター)』から興味深い報道が出ました。

米商務省が、国家安全保障上の懸念から、合衆国の道路を走るコネクテッドカーや自動運転車に中国製のソフトウエアやハードウエアを搭載することを禁止する提案を行う見通し――とのこと。

コネクテッドおよび自律車両に使用される中国産ソフトウェアは2027年式車両から、ハードウェアは2029年1月から禁止する計画――と報じられています。

「コネクテッドカー」とは、インターネットや外部のネットワークと接続された自動車を指します。これにより、車両が他の車両、インフラ、クラウドサービス、さらには自宅のデバイスなどと情報をやり取りすることが可能になります。

合衆国は、自動車に搭載されているネットとの接続システムにも注目し、これを使用するクルマを禁止します。

もっとも、これは以前からいわれていたことで、目新しい提案ではありません。先にジョー・バイデン大統領が車両ハッキング、データ流出の危険などを理由に商務省に対して、「中国などの懸念国家」の技術の使用について調査を指示していました。

この懸念国というのは、中国、ロシア、北朝鮮、イラン、キューバ、ベネズエラの6カ国ですが、このうち合衆国に自動車を輸出しているのは中国だけです。

そのため、バイデン大統領の指示は事実上中国を標的としたもので、商務省は実際に中国電気自動車(コネクテッドカー)の阻止に乗り出そうというわけです。

中国『ファーウェイ』電気自動車は監視網に接続されている。
ことの始まりは、中国の自動車評論家・袁启聪(袁啓聡)さんが2024年08月20日に自身の微博(Weibo)アカウントに上げた動画です。↑袁啓聡さんが微博に上げた「享界S9有点失望」(享界S9にはちょっとガッカリしたよ)という動画/スクリーン...

上掲の先記事でご紹介したとおり、中国内の電気自動車は中国政府の「国家监控平台(国家監視プラットフォーム)」にデータを送信し、ここでログデータが集積されています。


↑『新能源汽车国家监测与管理平台』の公式サイト/スクリーンショット

海外に輸出された中国産の自動車のシステムがどうなっているのか?――です。外部からクルマが備えている機能、カメラやマイクを操作されたりはしないのか、中国政府に走行履歴などのデータが把握されていないのか、など疑問が湧きます。

2024年05月には、商務省のジーナ・レモンド長官が『Reuters(ロイター)』のインタビューに答えて、「(中国産のコネクテッドカーの)輸入禁止を含む措置まで考慮している」と明言していました。

次の大統領がハリスさんになろうが、トランプさんになろうが、超党派で「対中国強硬派」の議員が力を強めていますので、中国への当たりが強くなることは間違いありません。

中国側はなんとか合衆国を懐柔しようとしていますが、ここまで来たらもう不可能です。

韓国『現代自動車』は中国『バイドゥ』とMOUを交わしている

今回のコネクテッドカーを規制しようという動きで、大きな影響を受けそうなのが韓国です。

よせばいいのに、『現代自動車』『起亜自動車』は、中国の検索大手『Baidu(バイドゥ)』との業務提携についてすでにMOU(Memorandum of Understandingの略:了解覚書)を交わしているのです。

2024年04月の『朝鮮日報』の記事から一部を引用します。

『現代自動車』・『起亜自動車』は去る27日、中国北京のヨセミテホテルで、ソン・チャンヒョン『現代自動車』AVP(未来車プラットフォーム)本部長兼社長、ワン・ユンフォン『百度(バイドゥ)』グループ副総裁などが出席した中、「中国コネクテッドカー戦略的協力に関する覚書(MOU)」を締結した。

『バイドゥ』は、中国においてコネクティビティーをはじめ、AI(人工知能)、自動運転、検索エンジン分野で最高レベルの技術力を持っていると評価されている。

『現代自動車』・『起亜自動車』は、このMOUを契機に、『バイドゥ』と共にコネクティビティー、自動運転、知能型交通システム、クラウドコンピューティングなど、包括的な分野で新しいビジネスエコシステムを構築することにした。

また、人工知能(AI)を適用した新製品や未来の新事業、新たなビジネスモデルも発掘する計画だ。

中国のコネクテッドカー市場は急成長している。

今年01月の『中国商業産業研究院』の報告によると、今年の中国コネクテッドカー市場は2,152億元(約40兆8,000億ウォン)に達すると推定されている。

(中略)

『現代自動車』グループの関係者は「誰でも使用できる最適化したモビリティデバイスとサルルーションを作って提供することがSDx目標」とし「『バイドゥ』と戦略的協力を通じて中国市場コネクテッドカーエコシステムの造成に努めるだろう」と話した。

『現代自動車』・『起亜自動車』と『バイドゥ』は2014年から今年で10年目のコラボレーションを続けてきた。

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「현대차·기아, 中 바이두와 ‘커넥티드카’ 협력」

なぜまたこのご時世に、中国企業と戦略提携などを締結するのか全く理解不能ですが、韓国企業というのは時勢の理解がこの程度ということなのでしょう。

日本人からすると「ばかだなあ」としか思えませんし、合衆国からすれば「中国と手を結ぶわけね」と疑惑の目を向けざるを得ないでしょう。

仮に、『現代自動車』『起亜自動車』が中国から良いソフトを手に入れたとしても、それを搭載したコネクテッドカーが北米市場に入るこを許されるとでも思っているのでしょうか。

何度もご紹介してきたとおり、中国の自動車輸出はもはや北米市場頼みなのです。

それが折れたら、「本当におしまい」だということを韓国人は理解しているのでしょうか。おめでたい人々です。

(吉田ハンチング@dcp)

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